医療保険は、商品によってその内容に大きな差が出ます。内容やプラン、特約の範囲も広く、自分に合ったものを選ばなければいけません。
特に重要なのは保障内容で、自分だけではなく家族にとっても価値がある内容かどうかを考える必要があるからです。
おすすめの医療保険のランキングだけではなく、種類や選び方まで徹底的に解説し比較していきますので、生活や将来にぴったり寄り添えるように見つけていきましょう。
目次
医療保険商品おすすめ3選の特徴も解説!
チューリッヒ生命「終身医療保険 プレミアム DX」
短期入院だけではなく、長期入院に対しても対応している一生涯保障の医療保険です。基本料金は安価ですが、保障内容をカスタマイズできます。
特徴的なのが、何回でも一定額の入院1時金が受け取れる形です。入院一時給付課を特約として組むことが条件ですが、様々な出費に利用できるため交通費などに充てられます。
日帰り入院も対象となるため、非常に有効な保障となるでしょう。
特約を足していく医療保険で、自分に合わせた形にできます。退院後の通院や先進医療に対する保障なども組めるのが特徴です。ストレス疾患では、支払限度日数が365日に延長されるところまでカバーできます。
どの年齢でも必要な内容を持っていますが、主契約だけではそこまで手厚い保障といえない部分もあるため、どこまで足していくか細かく検討しなければいけません。カスタマイズするタイプなので、安価で収めることも可能です。電話やネットで見積もりが取れる他、来店面接すれば専門家の意見を聞きながら内容を検討できます。
朝日生命「スマイルメディカルネクストα」
長い歴史を持つ朝日生命の生命保険です。保険料は安くありませんが、保障の手厚さはかなり優れています。保障内容の基本は入院給付金のみでシンプルな構造です。
II型にすることで、ガンでの入院は無制限となります。しかし、現在の入院は短気になる傾向があり、あまり大きなメリットではありません。
I型は七大疾病にかかった場合の支払限度日数は無制限です。特定精神疾患の場合に120日間延長してくれます。実際には300日は平均して掛かるといわれており、不足する面があるのは否めません。
通院保障は給付金ではありません。1回だけの一時金の扱いになるのも注意しなければいけないでしょう。長い通院になると、かなり不足する面がでてきます。
手術給付金は特約扱いになるので注意が必要です。逆にそれだけ選択肢が多い商品になっています。日帰り入院からまとまった給付金が受け取れるところは、生命保険の選択肢として重要なポイントになるでしょう。
保険料で見ると高い部類に入るため、保険料負担の増加を考えても、契約年齢には十分気を付けなければいけません。平均的な内容でもあるので、何か特別力を入れたものを選ぶのに不安があるなら、選択肢に入ってきます。
ネオファースト生命「ネオdeいりょう」
非常に安価で入れる生命保険です。入院保障のみ基本設定になっているためで、あとは自分で特約を選択します。特に女性疾病に対して幅広い対応をしています。
さらに健康保険割引があるので健康状況が条件を満たせば、さらに割引されて安くなるのです。
どの年齢でも安価で加入できるのが特徴で、全ての保障が一時金で支払われます。そこまで特別な保障は持っていませんが、幅広い対応力も持っているのでどこを主眼にするかで評価がわかれるポイントです。
三大疾病の保障条件もそこまで手厚くありませんが、ストレス疾患に対する特約があります。先進医療特約もあり、かなり安く付加できるのはメリットです。
安価な生命保険を求めている人や目的を絞り込めるなら、ピッタリの内容となるでしょう。特に一時金に魅力を感じる人にはいい内容です。
そのため、方向性として一時入院に強いといったところとなるでしょう。あとは特約に対する知識も必要で、代理店などでカウンセリングを受けて、適切な内容を選ぶタイプともいえます。
選ぶときに大切な医療保険の仕組み
医療保険を選ぶ場合には、根本的な部分から知る必要があります。必要性は理解していても、わかっているようで分からない部分があるのが保険です。
基本は病気や怪我のために医療費が必要になった時の備えであり、この保障が保険になります。それだけ範囲は広く、時代とともに変化する部分もあるのです。
合わせて公的医療保険と民間医療保険の仕組みの違いも覚えておかなければいけません。こちらも時代とともに変化するため、基礎的な部分から押さえておきましょう。
公的医療保険の仕組み
公的医療保険とは、名前の通り国が行なっている医療保険で、自分の意思で辞められません。強制なのが大きな特徴です。
いくつかの種類が設定されており、会社員や公務員は「健康保険」、自営業や仕事に就いていない人は「国民健康保険」、75歳以上の場合には「後期高齢者医療制度」と分けられています。
特殊なところでは、共済組合や船員保険も公的医療保険です。日本の場合には、これらに自動加入する形をとります。例外として、生活保護を受給するときには、脱退しなければいけません。
無職でも加入しなければならず、長期滞留する外国人も対象です。運営者は国ではなく、都道府県が市区町村とともに行っています。
健康保険や共済の場合には、扶養の位置づけがありますが、国民健康保険には存在しません。
医療保険の名前をとっていますが、直接給付されるわけではなく、自己負担部分だけを支払うのも仕組みの大事なポイントといえます。自己負担割合は基本的に条件によって決められていますが、乳幼児医療費助成制度の関係上、子どもの医療費は全部か一部助成かで違いがあるため確認しておきましょう。
健康保険に影響する部分として、高額医療費制度が重要です。1か月間の医療費が上限額を超えた場合に、その金額を支給してくれます。上限額は年齢や所得で変わるため、一定ではありません。
これは負担能力を考慮している公的医療保険の制度だからです。方法として、いったん支払いあとから受け取る方法と、事前に申請して支払額を抑える方法があります。
それでもかなり大きな負担が待っており、カバーできない部分もあるのは事実です。そのため、民間の医療保険が重要な役割を持つといえるでしょう。
民間の医療保険の仕組み
公的医療保険とは違い、民間の保険会社が扱っている商品です。強制的な部分が存在せず、自分で商品を選んで加入する任意の位置づけになります。
大きな目的は、公的医療保険でカバーできない部分の支出であり、ほとんどが入院給付金と手術給付金です。これらはまとまったお金が必要となる瞬間であり、公的医療保険でまかないきれません。
ほかの国と比較しても、公的医療保険が充実しているのは確かですが、高齢期などまで考えれば安心できるとは言えないからです。公的医療保険は保険適用外の治療費は対象外となるため、補填する民間の医療保険が必要なケースも出てきます。
病気やケガで条件に当てはまれば、給付金が受け取れるのが民間の医療保険の仕組みです。この条件は商品によって違うため、自分で必要とする部分に特約を組んだりします。
解約も自分の意志で決定できるのも、公的医療保険制度との大きな違いです。
国としても保障制度の充実は、大きなメリットを生み出します。そのため、民間の医療保険に加入することで、税金の優遇を受けられたりするのです。
ただし、民間の医療保険は保険会社の商品であり、強制加入ではありません。自分の健康状態を正確に知らせる告知義務があります。異常があるのにもかかわらず、それを知らせずに加入したりはできません。
保険料の支払いも発生するため、家計には少なからず影響が出ます。何かあった時には保険料で補えますが、何もないときには家計を圧迫する要因にもなりかねません。
カバーするための商品ですが、実は必要のないケースもあります。高額医療費制度を利用したことで負担を軽減できますが、これが民間の健康保険の保障金額よりよりも大きくなると、無駄に保険料を支払うことになるでしょう。
理解しておこう医療保険の種類
医療保険はさまざまな商品が作られてきたこともあり、いくつかのタイプに分類できるようになりました。
この種類を覚えておくことが、適切な商品を見つける重要なポイントです。
定期保険
保険商品の中でも、期間が決められている保険を指します。期間指定と呼ばれる一定期間を定めた短期のものもあれば、60歳までのように年齢指定で一定ラインを決めている場合もある商品です。
定期とは期間の定めがあるという意味であり、この期間が終わった段階が満期で保障が終了します。希望すれば満期後に更新できる場合もありますが、年齢指定は継続できない商品になるため加入時に注意が必要です。
期間という条件が付くことから保険料が安く設定されるため、年齢が若い時にはかなり安価に利用できるのも特徴です。逆に年齢が高くなる条件が厳しくなり、保険料も上がります。
更新の場合でも保険料が上がるため注意しなければいけません。特に長く利用するのが条件なら、終身保険のほうが安上がりのケースもあります。
定期保険は貯蓄性がありません。一般的に掛け捨てと呼ばれるタイプです。満期になっても満期保険期のような形でかえってきません。
途中で解約しても、解約返戻金はごくわずかの設定となるので、スタート時点から無理のない計画を必要とします。これが定期保険が安価に利用できる理由です。
定期保険は死亡保険でもあり、世帯主が死亡した後の生活を支えるために使われるケースが多いでしょう。子どもの養育費にも当てやすい内容です。内容的にはシンプルであり、分かりやすい保険といえます。
終身保険
終身保険は、名前の通り期間の定めがありません。一生涯の保障を受けられるのが大きな特徴で、一度加入すればそれ以降を保険料が変動しない方法です。
定期保険と比較すると、保険料が高い傾向が強く現れます。その分、何歳であっても保障を得られるメリットがあるのです。払い損になりにくい部分といえるでしょう。
終身ですので、満期という考え方がありません。いつか保険金を受け取れるのです。これが保険料を高く設定される理由になります。
保険料の支払いとして、一定年齢まで払い終える短期払いと生きている限り支払い続ける終身払いがあります。なぜこのような支払い方法が存在するかといえば、貯蓄性がポイントです。
いつか保険金を受けりますが、解約して戻してもらう方法があります。これを解約返戻金と呼び、終身保険では重要なポイントです。
解約返戻金は、期間に比例して多くなります。短期払いでは、契約した年齢で支払いが終わりますが、これ以降も解約返戻金は多くなるのです。特に支払った保険料より多くなる点が重要でしょう。
これを返戻率と呼びますが、100%を超えていきます。これが終身保険の貯蓄性です。
この貯蓄性を狙った方法として、一時払終身保険が存在します。加入時に保険金をすべて支払い、保険会社は受け取った保険料を運用するのです。
一定期間たったら解約しますが、その時には支払った保険料より多くの解約返戻金を受け取れます。保険としての役割も持ちますが、定期預金としての性格もあるといえるでしょう。
定期保険にはいろいろな種類がありますが、更新を続ける場合、終身保険のほうが割安のケースもあります。絶対に必要になるお金を残せる点では有効なため、事前にある程度のプランニングが大切です。
女性保険
名前の通り女性専用の商品で、女性特有の疾病に対する保障を厚くしています。女性特有の疾患として、乳房・子宮・卵巣がありますが、対象で重要なのはがん治療です。
保険の内容も商品によって違いが多く、これでなければ女性保険ではないとは言えない部分もあります。こうした治療に対し、給付金が上乗せされたり期間の延長を受けられたりするのが特徴です。
医療用ウイッグに対応している商品もあるため、女性にとっては大事な保険となりました。
商品によって違いがある以上、なにを求めるのか明確にして選ぶ必要が出てきます。リスクに対応するのが保険である以上、経済的な不安に対応させる必要もあるでしょう。
自分のライフステージに対して、どのような内容が必要なのかを検討しなければいけません。
女性保険でも定期型と終身型があります。1年更新タイプで妊娠や出産だけをターゲットにする方法もあるのです。保険金の支払いも伴う以上、女性特有の不安と負担のバランスが重要になります。
引受基準緩和型医療保険
通常の保険商品よりも、ハードルを下げているのが特徴です。一般的に健康不安があると、保険に加入できないケースが出てきます。保険会社も営利企業であり、あまりにリスクが高いと加入できないのです。
しかし、健康的な不安があるからこそ保険が必要であるのも間違いありません。そこで加入のためのハードルを下げ、通常よりも高い保険料でも加入できるようにしています。
保障内容にも制限がありますし、すぐには給付金が満額もらえないなどもありますが、多くの人が使える商品です。項目としては3つ~5つあたりが一般的で、これさえ問題がなければ加入できます。
便利で利用価値が高い反面、保険会社にはリスクが高い商品です。そこで、契約後一定期間は給付金が半額になるなどの条件が付けられるケースがあります。これを支払い消滅期間と呼ぶのです。
似ているものとして無選択型医療保険がありますが、こちらは告知なしで加入できるところにポイントがあります。つまり、引受基準緩和型医療保険よりもさらにハードルが下げられています。
当然ですが、保険料はさらに高く、一定の保障の制限もつけられてしまう内容です。
医療保険の選ぶときのポイント
医療保険の選び方として、保障内容や保険期間なども理解しておかなければいけません。保険料払込期間や健康体割引・健康増進型保険といったところも抑えておくのが大切です。
ライフプランにも影響を受けます。自分の将来を踏まえてみると、どの時期に保険が重要な役割を持つかが見えてくるからです。
保険期間は収入にも影響します。年齢を重ね、収入が下がりそうな時期に、人生の全盛期の支払いはできないでしょう。逆に必要な保障の内容も変わってきます。
ライフプランは、テンプレートとして発信されているものも増えてきました。自分の将来設計なども組み合わせ、適切な期間を見つけ出すのが大切です。
保障内容(主契約・特約)を考える
生命保険選びで重要ポイントが保障内容です。主契約はメインとなる本体部分で、特約はオプションとすると分かりやすいでしょう。
自分にとって必要な部分を満たすかどうか、大事な要素です。
保険期間を考える
保険期間は、定期型か終身型かで違いが出ます。若いうちは短期でも、長期的にみると終身型のほうがお得なケースもあるため、しっかりと計算が必要です。
保険料払込期間(全期払い・短期払い)を考える
いったいいつまで払い続けるのか、ライフプランにも影響を与えます。加入中はずっと払い込むのが前期払いで、先に払い込みが終わるものを短期払いとして区別しています。
短期払いは1回の払込金額は大きい代わりに早めに終わるため、年齢とともに負担が軽減する方法です。支払総額を計算すると割安になるため、余裕があるなら短期払いがいいでしょう。
健康体割引・健康増進型保険について
加入者が健康なら保険会社も負担が減るため、健康体割引として保険料を割引してくれることがあります。体重やタバコを吸わないなどの条件を満たすことが必要です。
保険会社から見れば、リスクが少ない人に多く加入してほしいと考えてのサービスといえます。
健康増進型保険は最近出てきた商品で、健康診断の結果が決めた基準以上であれば割引する特約です。実際に商品としては存在せず、健康増進特約とも呼ばれます。
条件を満たした時の還付金があるものもあり、中にはウォーキングなどの活動をすることで変動するものまで出てきました。大きく分けると、健康診断結果での割引と習慣での特典になるからです。
中には器具を貸し出して健康状態をチェックするものまであります。もちろん、加入後もチェックされるため、わずらわしさを感じる人もいるでしょう。
注意点として、こうした割引があったからといって、ほかの商品より保険料が安上がりになるとは限りません。あまりに特殊な特典や内容も出てくるので、比較検討が難しい部分もあります。
長期間にわたり自分の生活サイクルにも影響する部分も考慮に入れて選択する必要があるのです。
医療保険を選ぶなら自分の将来も視野に
医療保険は転ばぬ先の杖であり、今現在よりも将来に役立てられるかどうかです。さまざまなリスクを踏まえて選ぶため、現在の自分にプラスしてライフプランを見つめ直してみなければいけません。
その時のリスクは何か、自分に起こる可能性も踏まえ商品を探すことが求められます。
保険の加入自体がリスクになる可能性も頭に入れる必要があります。保険金を支払う以上、生活の負担になるからです。無理して支払うものではないため、生活の中でどのような位置づけになるのかも視野に入れ、いろいろな側面で比較しながら適切なものを選んで行きましょう。