ムカデは暖かい時期に遭遇することが多い虫で、生命力が強いことでも有名な害虫です。
ゴキブリやクモを食べてくれる「益虫」としての一面を持っていますが、生命力が強く人間に咬みつくこともあります。
狭いところも侵入可能で、室内にエサを求めて入ってきてしまう厄介な害虫です。
今回はそんなムカデの特徴や対策について紹介します。ムカデの発生で悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
まずはムカデについて知ろう
まず、ムカデの生態や種類について簡単に紹介します。
ムカデの生態について
ムカデは体に多くの節(体節)を持っていて、1つの体節に1対の足が生えていることから漢字で「百足」と書きます。
エサとなるのは生きているクモやミミズ、小さな昆虫などです。暖かい場所を好んでいて、温度が18℃を超えると動きが活発になります。
日が暮れてから活動を始める夜行性としての一面も持っています。
巣は落ち葉や石の下にあります。
ムカデは群れない害虫なので、万が一連続して室内で発見した場合はムカデにとって快適な場所となっている可能性が高いので早い対応が必要です!
ムカデの種類について
ムカデは世界で約3000種類、日本では約130種類が確認されています。
日本の屋内でよく見かけるムカデは3種類です。
・トビズムカデ
日本で生まれたムカデの中で最も大きなムカデで、体長は10cm〜13cmほどで大きいものだと20cmを超えるものも。毒もかなり強い種です。頭部が赤く、体は黒いという特徴があります。
・アオズムカデ
体長は10cmとトビズムカデほどではありませんが国内のムカデの中で最も強い毒を持っていると言われています。頭部と体は緑がかった黒で、足はオレンジ色をしている個体が多いようです。
・アカズムカデ
体長は大きくても10cmを超えない比較的小さなムカデです。アオズムカデより緑っぽい色をしているのが特徴です。
ムカデが室内に侵入すると起きてしまうこと
ムカデが室内に侵入することで最も危険なことは噛まれてしまうことです。
ムカデは高い毒性を持っているので、アナフィラキシーショックを引き起こしてしまったり、高熱や痛みに苦しむ可能性があります。
また、ムカデの死骸が床下にあると、それを求めてネズミやイタチが侵入してしまうことがあるので注意が必要です。
害虫の被害は、連鎖的に拡大する可能性があるので早めに対応しましょう。
もしもムカデに咬まれてしまったら?
次に、強い毒性を持っているもムカデに咬まれてしまったときの症状や対処法について紹介していきます。
ムカデに咬まれたときの特徴的な症状
ムカデの毒には、セロトニンやヒスタミンなどの成分が含まれてます。
毒の強さは違いがあるものの咬まれると激しい痛みがあり、咬まれた箇所が腫れてしまいます。
その後はかゆみなどの炎症を起こし、発熱や吐き気、めまいなど全身に症状が出てしまうこともあります。一般的に、痛みは数時間程度で改善され、痒みが数日以降続くケースが多いです。
しかし、ごく稀にアナフィラキシーショックを起こしてしまう事例もあげられています。
血圧低下や意識障害が起きてしまい、命に関わることがあるので、そういった症状が見られた場合はすぐさま治療しなければなりません。
とくに2度目にムカデに咬まれた人は、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があるので体の変化に注意して、心配な場合は医療機関への受診をおすすめします。
ムカデに咬まれたときの対処法
ムカデに咬まれてしまったら、すぐさま水で洗って毒を絞り出す必要があります。
また、ムカデの毒は熱に弱いという性質を持っているため、火傷しない程度の熱めのお湯をかけることで毒性を弱めることができということも覚えておきましょう!
(刺されてから時間が経ってから温めてしまうと血流が良くなり毒の広がりを促進してしまう可能性もあるので注意が必要です。)
ここで1つ注意点があります。
毒を口で吸い出す行為はとても危険なのでやめましょう!!
口の中から毒が広がり、悪化する危険性があります。しっかりと洗い流した後は、抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗って経過を観察してください。
腫れが引かないなど少しでも気になることがあったら迷わず病院に行きましょう。
ムカデ対策法を紹介!
最後にムカデを屋内に侵入させない方法や入ってしまったときの駆除方法を紹介します。
ムカデを室内に入れないための予防法
ムカデは湿度の高いところを好むので、梅雨などの雨の多い時期に侵入することが多くなります。
普段から床下換気扇や除湿剤を使用して床下の湿度が上がらないようにしておきましょう。
また、ムカデは落ち葉や石の下に巣を作るので、日頃から家の周りの掃除をして綺麗な状態を保っておくことも大切です。ムカデの侵入を防ぐためのアイテムは「毒餌剤(どくえざい)」や「忌避剤(きひざい)」などがあります。
毒餌剤(どくえざい)とは、エサに毒を含ませておいてそれを害虫に食べさせることで駆除するアイテムです。
家の周りに置いておくだけで容器の中に入っているエサでムカデを誘き寄せて駆除することで侵入を防ぎます。効果の持続は、商品にもよりますが、およそ1ヶ月程度です。
忌避剤(きひざい)と呼ばれるもので、害虫が嫌うニオイや成分を出すことで対象の害虫が近寄らないようにします。
忌避剤には固形のものからスプレータイプのものまで幅広い種類があるので、用途や条件にあったものを選びましょう。ニオイはだいたい1、2ヶ月ほど持続します。
ムカデの駆除方法
ムカデは50℃以上の熱いお湯に当てると駆除することができます。(ただし、50℃程度だと駆除しきれない可能性もあります。)しかし、ムカデは素早いので自力で捕まえるのはなかなか難しいものです。
最も簡単に駆除できるのは、殺虫剤です。
ムカデは生命力がとても強いので、ムカデの駆除には専用の殺虫剤を使用しましょう。
ムカデ専用の殺虫剤の中には忌避剤として使用できるものもあるので、1本で2役の働きをするものがおすすめです。
なかなか駆除できないときは業者に依頼しよう
自分で対策してもなかなかムカデを駆除しきれない人は専門業者への依頼を検討してみてください。また、虫が苦手で自分で駆除したくないという人にもおすすめの方法です。
庭や屋外の駆除は、1㎡1,000円ほどが相場になっています。あくまで相場で、業者やその作業内容によって料金が異なります。気になった人は一度見積もりしてもらうのも良いでしょう。
自分で駆除するより多少料金はかかってしまいますが、確実に正確に駆除できる点がメリットです。
ムカデ対策グッズ3選
最後にムカデの駆除に効果的な対策グッズを3つ紹介します。用途に応じて自分にあったものを選びましょう。
置くだけの忌避剤「アースガーデン ムカデよけ撃滅 置くタイプ」
(引用元:アースガーデン ムカデよけ撃滅 置くタイプ 1個入 | 園芸用品)
アース製薬の「アースガーデン ムカデよけ撃滅 置くタイプ」は、置くだけでムカデの侵入を約3ヶ月防ぐことができる忌避剤です。植物由来の成分をしようしていて化学殺虫成分不使用なので、寝室や子供部屋でも使用でいます。もちろん玄関や窓際などに置いても効果的です。
ムカデを瞬時に凍らせる「アースガーデン ムカデ撃滅 480ml」
(引用元:アースガーデン ムカデ撃滅 480ml | 園芸用品)
アース製薬の「アースガーデン ムカデ撃滅 480ml」は、見つけたムカデに直接吹きかける殺虫剤です。冷却成分と殺虫成分が配合されており、約0.1秒で動きを止めます。また、壁やドアなど害虫が入りやすい場所にスプレーをすることで、約3ヶ月間の忌避効果もあります。
臭いバリアでムカデを拒絶「忌避一番固形タイプ」
(引用元:フタワ㈱ 忌避一番固形)
フタワ株式会社の「忌避一番固形タイプ」は、臭いでムカデなどの害虫の侵入を防ぐ忌避剤です。ムカデだけでなくイヌ、ネコ、ネズミ、ヘビ、イタチ、キツネ、タヌキなども嫌う臭いで、1個につき約2m効果が期待できます。効果は約2ヶ月間持続します。
ムカデの侵入を防いで他の害虫対策もしよう!
今回はムカデについて、その特徴や対処法について紹介しました!
ムカデは、生命力が強く、毒を持っていて咬まれることは危険ですし、屋内への侵入を許すことで他の害虫被害を招く危険性もあります。
ムカデの屋内への侵入を防ぐためにまずできることは、家の周りの掃除や床下の湿度調整などです。
これをすればムカデだけでなく他の害虫も防ぐことがでるので、温かい季節は対応しましょう!
時間がなくて自分で掃除ができないという人は、ぜひ毒餌剤や忌避剤を使ってみてください。