皆さんはカイガラムシという虫をご存知でしょうか?
カイガラムシを放っておくと植物の枝や幹などに影響を与えて最悪の場合せっかく育てていた植物が枯れてしまいます。
今回はそんなカイガラムシの発生してしまう原因や駆除の方法などについて解説していきます。
目次
カイガラムシってどんな害虫?
まず、カイガラムシがどんな害虫なのかについて紹介していきます。
カイガラムシとは
カイガラムシは 、熱帯や亜熱帯を中心に生息している生き物です。
ただ、世界各地でカイガラムシの存在は確認されていて、現在世界で7300種類がいるともいわれています。
体長は1から10ミリほどの小さい虫ですが、種類によって形はさまざまです。
日本に生息するカイガラムシの種類はハカマカイガラムシ、ワタフキカイガラムシ、コナカイガラムシ、マルカイガラムシなどです。
ほとんどの植物に寄生する虫で枝や幹に一生固着する種類が多く、体内から分泌するものが固まって 貝殻状やわた状なります。
繁殖が進んでしまうと木の色が変わってしまうほど大量に発生して養分を吸い取り、最悪の場合その寄生した植物を枯らしてしまいます。
日本では昔から農作物や果樹、観葉植物や園芸植物に寄生する厄介な害虫で、大量に寄生すると見た目も損ねてしまいます。
カイガラムシが与える被害
先ほど紹介したようにカイガラムシといっても種類はたくさんあり、特に被害を受けるのは樹木に寄生するカイガラムシです。
カイガラムシが寄生すると養分を吸い出されてしまうので、樹木の成長に影響を受けてしまい枯れてしまいかねません。
また、カイガラムシの排泄物には糖分を含んでいるものが多く、この排泄物が原因となって「すす病」や「こうやく病」という病気を誘発する可能性もあります。
すす病は大量のカビが発生する病気で、 葉っぱや幹などが黒いすすをかぶったような状態になり光合成を阻害されてしまいます。
こうやく病は淡褐色や黒褐色、灰白色のフェルト状のカビが張り付いてしまい次第に大きくなって拡大する病気です。こちらも症状がひどいと枝が枯れてしまう恐れがあります。
また、カイガラムシの排泄物によってアブラムシも繁殖してしまったり、アリが寄ってきてしまうという間接的な被害を受けることもあります。
カイガラムシが発生する原因
カイガラムシは5月から7月の梅雨の時期に多く繁殖しますが年間を通してどの季節でも発生します。
カイガラムシは、風に乗って飛ばされてきたり、人間の衣服などにくっついて運ばれて来たりと様々なケースで発生することがあります。
カイガラムシの幼虫は1ミリ程度と小さいので注意してみてもかなり見つけづらいです。そして気づかないうちに成虫へと成長して、繁殖してしまいます。
カイガラムシの駆除方法
気づかないうちに発生してしまうカイガラムシを見つけた時は出来るだけ早い駆除が求められます。
今回は代表的な駆除方法を3つ紹介します。
①幼虫のカイガラムシは殺虫剤を使用する
カイガラムシは成長している状態で最適な駆除の方法が異なってきます。
成虫になってしまうと体を固い殻やロウのような物質で覆うってしまうため、殺虫剤などをかけてもあまり効果がありません。
なので殺虫剤などの薬剤を使用して駆除することができるのは幼虫のときですが、先ほども紹介したとおりカイガラムシの幼虫はとても小さいので見つけることが困難です。
運良く幼虫の状態で発見ができた場合は早めに殺虫剤で駆除しておきましょう。
②成虫のカイガラムシは手作業で駆除する
成虫になってしまったカイガラムシは、手作業で取り除かなければなりません。
とくに大切に育てている植物は、葉っぱの裏側などを定期的にチェックしておく必要があります。
カイガラムシを発見できた場合は爪楊枝などの細かい作業のできるものを使ってカイガラムシを一匹ずつ取り除いていきましょう。
歯ブラシなどでこすり落とす方法もあります。落としたカイガラムシは地面に残したままにせずにきちんと拾って、袋に入れるなどをして始末します。
③カイガラムシが繁殖している枝ごと取り除く
カイガラムシの存在に気付くのが遅れてしまい繁殖が済んでしまった場合には思い切ってその枝ごと剪定してしまうという手段もあります。
この方法は他の方法と比べて簡単に駆除することができますし、枝ごと取り除けば次の繁殖の予防にもなります。
ただ、繁殖が進んでしまっている場合も十分に考えられますので、駆除しきれていないところはないかきちんと確認しましょう。こちらの方法も地面などにカイガラムシを落としたままにせずきちんと拾って処分してください。
駆除したあともしばらくは様子を観察する
カイガラムシはとても小さく駆除できたと思っていても残っていた幼虫などが気づかないうちにまた繁殖してしまうということもよくあります。
カイガラムシの大量発生を防ぐためには、早めに早めに駆除することが大切です。
大事にしている植物は特に毎日注意深く観察しておきましょう。
カイガラムシを発生しにくくするための方法
カイガラムシは1度繁殖してしまうと手作業で駆除しなければならず、かなりの労力が必要になってしまいます。
前もって繁殖しないための予防が大切です。
①冬のうちに薬剤を撒いておく
カイガラムシは5月から7月の期間に活動が活発になり、大量繁殖の恐れがあります。
また、一度が発生してしまうと多くの場合翌年も発生してしまいます。寒い時期に薬剤を使用して来年の発生を抑えましょう。マシン油乳剤という薬剤の使用がおすすめです。
機械に使う潤滑油を乳化させたものがマシン油乳剤で、虫が呼吸する場所を塞ぐことで窒息させる効果が期待できます。
冬の時期は植物が休眠の状態に入るので、この時期は比較的に強い薬剤を使用することができます。
なので、寒い時期に薬剤をあらかじめ巻いておくことがおすすめです。
②剪定をして風通しをよくする
カイガラムシは風通しが悪くジメジメとした暗い場所を好んでいます。
なので、定期的に植物の剪定を行って日当たりと風通しの良い環境を作るとカイガラムシの予防に効果的です。また、剪定をすることでカイガラムシの発見もしやすくなるので一石二鳥です。
③植物を新しく購入する時は要チェック!
新しく植物を購入したい時には、植物にカイガラムシがついていないかを確認するクセをつけるようにしましょう!
一つの鉢にカイガラムシがついていた場合、風で飛ばされたりして他の鉢まで被害を受けてしまいます。葉っぱの裏や見えづらい幹など、購入の時に時間をかけてしっかりとチェックしてください!
また、購入してからしばらくの間はカイガラムシの発生がないかなど少し注意して見ておくと安心です。
カイガラムシは早期対応が鍵!!
今回はカイガラムシについて紹介しました。
カイガラムシは駆除したと思っていても卵や幼虫に気付かずに再度大量発生するということがよくあります。
なので、繁殖してしまう前に駆除し、再発したらすぐに発見することが大切です。一度発生してしまったら根気よくチェックして継続した繁殖を防ぐようにしましょう。
剪定をすると見栄えが良くなるだけでなくカイガラムシ対策にもうってつけですので、ぜひ定期的に行ってみてください。