専業主婦が離婚するには?抱えている4つの不安の解決と準備すべきこと!

共働きの夫婦と違って専業主婦が離婚する場合には、経済的な問題を始め多くのリスクが考えられます。 特に離婚後、シングルマザーになる場合はお金や住居、子供のことなど不安ばかりが頭をよぎってしまうでしょう。

しかし、問題や課題をクリアにして、1つ1つ解決の道を探っていけば 離婚への不安は減少していきます。そこで今回は離婚を決意した専業主婦の方が、抱えている4つの不安の解決と事前に知っていてほしい準備すべきことについて解説します。 

目次

専業主婦が離婚を決意した時の4つの不安点

専業主婦が離婚する際に特に不安と感じるリスクは、下記の4つに集約されます。

<専業主婦が離婚する際に不安と感じるリスク>

1) お金の問題(生活費など)

2) 住まいの問題(住居はどうするか)

3) 子供の問題(学校・保育園・養育費など)

4) 仕事の問題(就職等)

離婚を決意した専業主婦の方は、 上記の4つの問題の解決に悩まされることになります。 専業主婦で離婚を決意するということは、それ相応の決意と覚悟がいります。また、離婚後の生活に対しても様々な問題をクリアしていかなければなりません。

離婚後しばらくして後悔しないように 、事前にしっかりとプランを立てて準備していきましょう。 

離婚後のお金の不安

離婚をした時の大きな不安要素になるのはお金の問題です。 特に専業主婦の方は仕事を持っていないので、再就職の問題も含めて1人になった時の経済的な心配が大きいのではないでしょうか?

ここでは離婚時にかかる費用、離婚後にかかってくる費用など離婚にまつわるお金について詳しく解説ししていきます。

離婚時にかかる費用

離婚を決意したらまず最初に夫婦間同士で話し合いましょう。しかし、そこで合意が得られない場合は裁判で調停と言うことになります。

調停ということになると家庭裁判所への調停申立や、弁護士への調停依頼などに費用がかかってしまいます。また調停での話し合いで協議離婚の合意が得られなければ、裁判になり裁判費用も必要です。

それだけではありません。もし離婚前に別居することになったら家を出なければならない場合もあります。その際、実家に戻る場合はよいのですが、賃貸で家を借りるとなると引っ越しの費用や、敷金・礼金などまとまったお金が必要になります。

離婚して1人になるとそれ相応のお金がかかってきます。 離婚する前に一人で生活していくには月収でどのくらい必要なのかなど、 事前にシミュレーションして起きましょう。 

離婚にかかる費用の相場 

離婚にかかる費用相場
離婚調停の申し立て3,000円以内  ( 必要な書類提出と諸経費)
離婚調停の弁護士依頼20万~30万円( 成功報酬及び着手金)
離婚裁判の弁護士依頼60万円前後  ( 成功報酬及び着手金)

離婚後かかってくる費用

やっと離婚が成立してもその後に待っているのが、1人で生計を立てていかなければならない今後の生活です。 

夫からもらえる慰謝料や 養育費、公共の手当て、それと現在の自分の収入で離婚後の生活費がまかなえるかどうか?まずチェックすることが大事です。

 DV や不倫など明らかに夫に非がある場合は離婚請求できるわけですが、 その事実を証明できる証拠物件が集まらなければ離婚請求はできません。また、離婚請求できたとしても相手にそれを賄うだけの貯蓄がなければ結局慰謝料はもらえません。

事前に離婚の原因となった客観的な証拠を集めながら、夫の資産保有状況などもしっかりと調べておきましょう。 証拠集めなど自分で調査するのが難しいなら、無料の相談窓口などもある専門機関に相談してみましょう。

離婚後の生活がうまく立ち行くには、経済的に自立できることが最も重要です。離婚前の期間に貯蓄を増やしておくとか、公的補助にはどんなものがあるのか調べるなどできる準備は進めておきましょう。 

離婚後に配偶者から支払われるお金

離婚前に別居する場合は「婚姻費用の分担」と言って、その生活費を夫に請求することが可能です。金額については夫婦間の話し合いによります。

金額は個々の案件によって異なりますが、平均的な相場は2万円~6万円とされています。婚姻費用については請求した時点で受け取ることが可能ですので、別居開始時にすぐに請求しましょう。 

ただし、過去の分の請求や、離婚原因が請求者にある場合は 請求が難しくなるので注意が必要です。

離婚後に配偶者から支払われるお金については以下のようになります。それぞれについて確認していきましょう。

1)財産分与

財産分与とは婚姻期間中に夫婦で蓄えたお金など、夫婦共有の財産を平等に分けることを定めています。 夫婦共有の財産であるものに限るため、 結婚前に保持していた財産は含まれません。

2)慰謝料

離婚原因が夫の不貞などによって精神的なダメージを受けた場合、その代償として慰謝料を請求することができます。 金額はそれぞれ個別の事情によって変わりますが、相場としては 50万円~900万円となっています。 

3)養育費

夫婦に子供がいる場合はどちらかが親権を持つことになります。 親権が決まらなければ離婚は成立しません。 親権を持った方は 元配偶者に対して養育費を請求することができます。

2018年厚生労働省公表: 養育費の受給状況全国ひとり親世帯等 調査結果報告

世帯の形態 世代別平均月収
父子家庭のケース3万2,550円
母子家庭のケース4万3,707円

離婚後の住居についての不安

離婚成立後、状況によっては家を出なくてはならない場合もあります。 実家に戻る場合はいいですが、それが出来ない場合は新しい家を探す必要があります。

子供がいる場合は、実家で世話をしてもらえる可能性が高いので、 事情が許す限り実家を選択するのがベストです。 

また、夫婦が住んでいた家を譲り受けた場合には、 まず不動産の名義人を確かめてください。夫が名義人になっていた場合は自分に名義変更をしなくてはなりません。その際の費用をどう分担するのか、譲り受ける前に話し合っておくことが必要です。

注意して欲しいのは、譲り受けた不動産にまだローンが残っていた場合です。返済が大変になってしまうことが考えられるので、慎重に判断しましょう。

離婚後の子供の不安

夫婦に子供がいる場合は離婚することによって、その子供は大きな精神的なダメージを受けるでしょう。 子供の頃の大きな環境変化は子供のパーソナリティに大きな影響を及ぼします。

夫婦の離婚に伴う最大の被害者は子供であることを認識しましょう。 それゆえに離婚前後の忙しい中であっても子供に対する愛情とコミュニケーションは不可欠です。

離婚後の母親は多くの場合、外へ働きに出ることになります。幼い子供がいる場合は、ベビーシッターや保育園など子供の預け先について確認しておく必要があるでしょう。 

離婚後に再就職する時のコツ

例え、元夫からの慰謝料や養育費、自分の預金などがあっても決して安心はできません。夫の怠慢で養育費が支払われなくなることはよくあることです。また、 少しの蓄えがあってもいつのまのか使ってしまいます。

よほどの財産がない限り、長期的に見れば離婚後に再就職することは必須です。そこで離婚後に再就職するためのいくつかのコツを紹介します。 

1)マザーズハローワークを利用する

マザーズハローワークは、子育てをしながら就職を希望する方のに求人情報を提供しています。 紹介される求人は子育て中の女性がたくさん活躍している職場が多いので、お互いの気持ちがよく理解できて融通が利くので精神的な負担も軽くなります。 

2)子供を保育園・学童保育に預ける 

働きに出るには子供をあずける施設を確保する必要があります。 保育園や学童保育の募集は秋に行われるので 、この機会を逃さないようにしてください。

また、子供が体調不良になった時などすぐ対応してもらえるように、 病児保育も受付る保育園が望ましいですね。 

3)エクセルやワードは使いこなせるようにしておく

職場では Excel や Word が基本ソフトとして使用されています。 Excel や Word を使えるようにしておけば、事務所では即戦力になりえますので是非習得してもらいたいスキルです。 

4)資格取得を目指す。 

長期的な目で見れば資格取得を目指すのも有効です。 もちろん、 ほとんど余裕のない状態では無理ですが、 将来のことを考えるとより安定的に収入を得るための手段として、良いのではないかと思います。 

5)過去に勤めていた職場に再雇用のお願いをしてみる

会社を辞めてから長期間経っている場合は難しいかもしれませんが、元いた職場なら仕事や雰囲気にも慣れていますので環境としては一番良いかもしれません。お願いしてみるだけの価値はあるでしょう。 

離婚する前に準備すべき8つの課題!

離婚を決意したからといってやみくもに離婚届を提出するのだけはやめましょう。少し冷静になって離婚後の生活を見据えた準備を進めていきましょう。ここでは離婚する前に必要な準備すべき8つの課題について解説します。

 1.離婚のタイミングと切り出し方 

 精神的な限界に来ているからと言って安易に離婚を切り出すのは禁物です。 しっかりと準備をしてから離婚の意思を相手に伝えましょう。 離婚を切り出すにも夫婦関係がすでに破綻している場合は、離婚の意思を伝えるのはそう難しいことではないでしょう。

しかし、もしあなたの夫が離婚を全く考えていない場合は、離婚を切り出すハードルは高くなります。 離婚の原因が夫の不倫やモラハラだった場合は、その事実を証明できる証拠を十分に集めて、 論理的に矛盾しない離婚の意思を伝えられるようしましょう。

また、夫には離婚の原因がなくあなたの一方的な気持ちで離婚したいと考えている場合は 、離婚後の生活スケジュールなどを明確に決めた上で 離婚の条件を考えましょう。そして、あなたの意思や条件、離婚後の生活など離婚への真剣な思いを誠心誠意相手に伝えることが大切です。

相手との話し合いの際には、感情的な話し合いにならないようにしましょう。感情的になると相手に誤解されたり不審に思われる原因にもなります。あなたの意思や気持ちを冷静に伝えることが重要です。 

離婚話を切り出す場所は基本的にご自宅がいいでしょう。しかし夫は短気で暴力を振るう危険性がある場合は、あえて人目の付くお店などを選ぶほうが賢明です。

2.別居と離婚にかかる費用の分担 

毎日顔を合わせるのが辛かったり、理由もなくイライラしてしまったりする場合は離婚前に別居することも有効な手段です。 別居によってお互い冷静になって将来のことを考えることもできます。また、不要な揉め事を避けられるという利点もあるでしょう。

別居する場合は「民法752条」に保証されている「婚姻費用の分担」の権利があるので、 婚姻中である以上 別居したとしても、夫から婚姻費用として生活費を受け取る権利があります。

婚姻費用については夫婦の話し合いで金額が決定されますが、話し合いで決まらない場合は裁判所での調停や審判でその金額が決定されます。

3.慰謝料の請求について 

慰謝料が請求できる条件は、夫からの一方的な暴力や精神的肉体的な苦痛を受けた場合のみです。 慰謝料請求の原因として一般的によくあるのは、「不倫や浮気」、 「DVやモラハラ」、あるいは「生活費がもらえない」などです。 

「慰謝料の請求が可能かどうか」また「慰謝料の金額はいくらすにるのか」は、まずは夫婦の話し合いによって検討されます。 その話し合いの時に絶対に必要になるのが「 証拠」ですので、離婚請求をする方は証拠をしっかりと準備しておくことが重要です。

不倫や浮気などの証拠については自分で集めるか、あるいはプロに依頼して証拠を集めてもらうかのどちらかになります。プロに依頼する場合は信頼できる探偵を探すことが重要です。

自分で証拠を集める場合は、まずは事前に対策を練ってから感情的にならないで冷静に証拠集めをしましょう。

夫婦の話し合いによって話がまとまらない時は 、離婚調停と一緒に裁判所の調停で話し合うことになります。夫婦お互いの合意によって慰謝料が決まった場合については、 合意の証拠として公正証書を作成しておくと良いでしょう。

公正証書があれば後々慰謝料を支払ってもらえない場合に裁判所の判決がなくても強制執行が可能となります。

4.財産分与の請求について 

財産分与とは「婚姻期間中に夫婦の協力によって築いた財産を等分すること」をいます。 共有財産としては「現金・預金・不動産・年金・退職金」や「家具・家電・車」などがあります。

夫だけが収入があり妻が専業主婦でも、家事労働で夫の仕事を支えたのは妻です。専業主婦の仕事は月給換算で40万円ほどです。したがって婚姻中に得た財産は全て共有財産とみなされ、原則として財産は1/2ずつ分け合うことになります。

5.年金分割の請求について 

年金分割とはそれぞれ夫婦が婚姻期間中に支払った厚生年金保険料を 決められた比率で分割できる制度のことです。この制度は厚生年金のみを対象にしています。 

この制度の目的には財産分与と同じく「夫が会社員や公務員として外で働いて年金を納められるのは、妻の支えがあるから」という基本的な考えがあります。

年金分割は最大で50%の比率です。婚姻期間の長い熟年離婚ほど恩恵を受ける制度だと言えましょう。

6.離婚協議書・公正証書の作成 

夫婦同士の話し合いで離婚が決定した場合、話し合いで取り決められた内容の中で「お金に関係する部分」はきちんと書面で残しておくことが重要です。この書面のことを離婚協議書といいます。

離婚協議書には以下に示したような内容を記載しておきましょう。 なお離婚協議書は弁護士に依頼して作成することが可能です。

・離婚協議書に記載する内容

お金に関係する取り決め      内容
 離婚合意 離婚合意の事実を書面で残す
 慰謝料 慰謝料の金額や支払いの時期など
 財産分与  財産分与の割合や具体的な財産名など
 親権 親権はどちらにあるのか明確にしておくなど
 養育費 養育費の月額金額や支払い期間などについて
 面会 面会の回数や頻度などについて具体的に
 年金分割  年金分割の割合など

離婚協議書ができたら早めに交渉人に依頼して公正証書とすることをお勧めします。 公正証書は単なる契約書と違い公文書に分類されるので、原本が作成した公証役場に公文書として保存されます。

公文書は公的な証拠として認められるので、万が一相手が支払いを滞らせたり、拒否してきた場合でも公正証書があれば、支払いをしない相手を裁判に訴えなくても、強制執行が可能です。

7.親権と養育費 

子供がいる夫婦の場合は離婚する時に必ず親権者を決める必要があります。 親権者には、子供に対する深い愛情があること、そして子供を育てるに足る経済力があることが求められます。

そして最も考慮しなければいけないのは、子供本人の意思です。 これらの条件をクリアして子供に対して良い環境を用意できる親である必要があります。

親権が夫婦の話し合いによって合意できない場合は、裁判所での調停や審判に移行されます。 一般的には子どもの年齢が低いほど母親の存在が大切であると考えられているので、母親が親権者となるケースの方が多いです。

しかし専業主婦が慣れない仕事をしながらお金を稼ぎ、子供を育てることは簡単ではありません。そのために養育費の制度があるのです。

親権者になれなかった親側にも、子供に対しての生活保持義務があります。これは自分自身と同じレベルの生活を子供におくらせる義務です。その義務の1つとして養育費の支払いがあります。

養育費の金額は、元夫婦両者の収入や抱えている子供の人数と年齢を考慮して 決めていくべきであり、それらの条件を考慮した「養育費算定表」をベースにして月々の金額を決めるといいでしょう。

8.母子家庭が受けられるサポートを紹介! 

母子家庭には様々なサポートが状況に応じて受けられます。ここでは母子家庭が受けられるサポートについて紹介します。

1)生活保護について

生活保護とは日本国憲法に定められている「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」にもとづいた公的制度です。

すべての国民が生活保護に申請できる権利があり、生活困窮者を国がサポートする制度ですので 母子家庭で子供がまだ小さく、何らかの理由で仕事ができないなどのケースに有効です。

2)児童扶養手当について

母子家庭や父子家庭の子供を対象にしている手当です。収入によって支給額は変わりますが、満額で受け取ることができた場合に子供1人で月4万円が支給されます。

3)母子家庭自立支援給付金について

まだ成人に達していない子供を養育している母子家庭の親に対して、職業訓練口座を受講できる制度です。

4)ひとり親家族等医療費助成制度について

母子家庭を対象に医療費の一部を助成する制度です。

離婚する際は、事前の準備をしっかりと!

専業主婦の方は、離婚後の「お金や子供の問題」などを理由に離婚を我慢してしまう方が多いのが現状です。確かに専業主婦を離れて、一人で生計を立てていくのは容易でありません。 

しかし、事前にしっかりと準備をしてなるべく良い条件で離婚し、様々な制度を活用していければ、離婚前の不安を軽くすることができるでしょう。


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