米びつを開けたら黒っぽい虫がいたらはコクゾウムシかもしれません。
コクゾウムシはお米や米びつに発生する厄介な害虫です。今回はコクゾウムシの生態や駆除の方法について紹介していきます。
目次
コクゾウムシの生態
コクゾウムシは、赤褐色か黒褐色の見た目をしていて体調がおよそ4mmというとても小さい昆虫で目視することは難しいです。漢字では「穀象虫」と書き、穀物を食べて象の鼻のように伸びた口を持っているのが特徴です。
日本人とコクゾウムシの関わり
名前の通りコクゾウムシはお米や小麦などの穀物に発生し、米びつなどで大量に発生します。米を食べるという特徴から米食い虫という別名もあり、世界中で存在が確認されています。
また、コクゾウムシはクリやどんぐりのような堅実類(けんかるい)も割れている隙間から侵入して卵を産み付けることから、日本では人間がどんぐりなどを収集して蓄えるようになったおよそ1万年前以降から害虫として避けられていたと考えられています。
コクゾウムシは、日本人の食生活にとって深く結びついた昆虫であるとされており、長きにわたって穀物で繁殖する厄介な虫です。
コクゾウムシの産卵
コクゾウムシは象の鼻のような長い口で穀物に穴を開けて穀物の中に産卵します。穀物一粒につき一つの卵を産み付けて孵化した幼虫は、周りの穀物を食べながら穀物の中で成長していき成虫になると穀物から出てきます。
コクゾウムシの厄介なところはその繁殖力の高さです。1年に3、4回の産卵を行い、1匹のメスは一生に200個以上の卵を産むとされています。
コクゾウムシが発生する原因
コクゾウムシは高温多湿の場所を好みます。具体的には温度は20度以上、湿度は60%以上の環境で活発に活動します。なので、風通しが悪く食料もある米びつはコクゾウムシにとって絶好の住処なのです。
コクゾウムシが米びつにいる原因としては米びつにお米を入れる前からすでにコクゾウムシが侵入していることが考えられます。例えば製造過程で侵入されてしまうケースやお米が入っている袋を破って侵入するケースが考えられます。
また、お米を入れた後でも他にも米びつにわずかに隙間があってそこから侵入されてしまうことも十分にあり得るので注意が必要です。
コクゾウムシが発生したら?
それでは次にコクゾウムシが発生してしまったときの対処法を紹介します。コクゾウムシに毒性はありませんので、米びつにわいてしまってもお米を食べることはできます。ただ、コクゾウムシは大量に発生している可能性もあるので、適切な対処をしましょう。
炊く直前に発見したときは「よく洗う」
ご飯の支度をするときに米びつでコクゾウムシを発見したときは炊くお米を入念に洗いましょう。コクゾウムシに毒性は無いので問題なく食べることができます。
ボウルなどの深さのある容器にお米を入れてから水を入れてください。しばらくするとコクゾウムシは小さくて軽いので水に浮いてきます。お米を捨てないように注意しながらコクゾウムシを取り除いてください。
時間があるときは「天日干し」
時間があるときはお米を天日干ししましょう。新聞紙やビニールシートの上にお米を広げて太陽に当てましょう。コクゾウムシは太陽の光が苦手なので逃げて行きます。
このときに注意したいのはスズメやハトです。ベランダで干しているとスズメやハトに食べられてしまうことがあります。万が一、スズメやハトに食べられてしまうと病原菌がついてしまう可能性があるのでもったいないですがお米は捨てましょう。天日干しはできれば室内で行うのがおすすめです。
食品のないとこで発見したら「ピレスロイド系の殺虫剤」
食品のないところで運よく発見できた場合はピレスロイド系の殺虫剤を使用しましょう。ピレスロイド系の殺虫剤は家庭用の一般的な殺虫剤に使用されているので、コクゾウムシ用の殺虫剤を購入する必要はありません。
・ピレスロイド系の殺虫剤
引用元:【防除用医薬部外品】アースジェット 殺虫スプレー [ハエ・蚊用 450mLx2本]
コクゾウムシを予防する方法
コクゾウムシにいくら毒性が無いからとは言え、大量に発生してしまっては食べる気が無くなってしまいますし、捨てた方が楽かもしれません。大切なのは米びつにコクゾウムシをできるだけ侵入させないようにして、繁殖を防ぐことです。
最後に、米びつに虫が発生してしまわないようにする予防法を3つ紹介します。簡単にできるものばかりなのでぜひ試してみてください!
お米を冷蔵庫で保存する
コクゾウムシは20度程度の気温と60%以上の湿度のときに活発に繁殖し、温度が高くなるとお米自体が匂いを発してしまい、それに釣られてコクゾウムシなどの虫がやってきます。
とくに暑さや湿気が気になる梅雨から夏場は冷蔵庫に入れることがおすすめです。低い温度の冷蔵庫の中では虫の行動が緩やかになり、繁殖を防ぐことができます。温度の変化が少なくなるように出し入れの時間を短くするようにしましょう。
米びつクーラーという商品も販売しているので、こちらを利用してみるのも良いでしょう!
引用元:ALINCO(アルインコ) 米びつクーラー 30kg: 産業・研究開発用品
米びつを見直す
冷蔵庫に保存する方法はとても有効な手段ですが、米びつが大きくて冷蔵庫に入れるスペースが無いという人もいるかもしれません。そのような人は米びつを見直してみてください。
長く使っているうちに虫が入り込むようなスペースができている可能性があります。とくに木製の米びつはプラスチックのものに比べるとどうしても劣化しやすく、虫が入り込みやすくなっているかもしれないので買い替えを検討してみてください。
また虫が食料とする糖が米びつに溜まっていることがあるので、米びつは定期的に洗いましょう。
米びつに唐辛子を入れておく
米びつに唐辛子を入れることで防虫効果を得ることができます。やり方は簡単で、乾燥した生の唐辛子をそのまま米びつに入れるだけです。
唐辛子には「テルペノイド系化合物」という柑橘系の香りが含まれていて、この成分が虫除けの効果をもたらしてくれます。お米に唐辛子が混ざってしまうかもしれないので、ティーバパックや小さなネットに入れておいても良いでしょう。
また、米びつに入れるために販売されている唐辛子ゼリーの防虫剤もあります。米びつに入れておくだけで半年から1年程度防虫効果が期待できます。価格もお手頃で300円程度で入手可能です。
コクゾウムシの繁殖を防ごう
コクゾウムシは米袋のわずかな隙間や切れ目から侵入してしまうので、知らず知らずのうちに入ってしまう可能性が高い虫です。なので、米びつに入られてしまったら、繁殖をさせないように対策する必要があります。
高温多湿の場所は避けて、唐辛子を入れておくだけでも高い効果が期待できます。
美味しいご飯を食べるために少しの工夫をしていきましょう!