テントウムシダマシって知ってる?てんとう虫とは異なり害をもたらす特徴とは

アブラムシの駆除など益虫として知られているのがテントウムシです。かわいらしいことでも知られていますが、実は害虫となるテントウムシが存在します。別名テントウムシダマシと呼ばれますが、できるだけ早く処理しなければいけない害虫なのです。

目次

テントウムシダマシとは

テントウムシには、食べるもので分類すると大きく3つの種類が存在します。肉食であるテントウムシは、アブラムシを処理してくれる益虫です。

菌類を食べるテントウムシもおり、益虫として知られてきました。しかし、実は草食性のテントウムシが存在しています。これがテントウムシダマシであり、厄介な害虫なのです。

テントウムシダマシは、日本で5種類生息していますが、主に害虫として被害を出しやすい2種類がいます。ニジュウヤホシテントウとオオニジュウヤホシテントウです。

その名前の通り28の斑点が背中にあるのが特徴で、どちらも短い毛で覆われています。通常のテントウムシのような艶は存在せず、一目しただけでも違いはっきりと分かる種類です。

この2種類の違いは大きさや生息地域で、気温の低い北側でも見られるのがオオニジュウヤホシテントウで、大きさは8mmほどに成長します。

逆に関東の南から九州など暖かい地域に生息するのが、ニジュウヤホシテントウです。こちらは6から7mmほどの大きさに成長します。

非常に繁殖力が強いのがニジュウヤホシテントウで、年に2回孵化する厄介な特徴を持っているからです。オオニジュウヤホシテントウの方は、一年に一回しか孵化しないため、まだ被害が少ない害虫と言えます。

どちらもナス科やウリ科の植物を好み、葉がボロボロになるまで食べてしまうのです。葉脈だけ残っている状況を見つけたら、犯人はテントウムシダマシだと考えていいでしょう。

幼虫の段階での見分け方

テントウムシダマシの幼虫は、見た目で判断がつきます。見た目に棘のような毛が生えており、益虫であるテントウムシとの違いがすぐに分かるのです。

この棘のようなものは、触っても刺さりませんし毒もありません。すぐに違いが分かるためこの段階で処理してしまうのが確実です。

卵の段階での見分け方

実は卵の段階でもテントウムシダマシなのか判断がつきます。卵をよく見ると、ここでも毛が生えていることが分かるからです。この特徴があった卵は、ニジュウヤホシテントウの可能性が高まります。

もう一つ卵を同士の間隔が広い場合、オオニジュウヤホシテントウの可能性があるのです。それも、好んで食べるナス科の植物であれば、かなり危険性が高いと判断できます。

テントウムシは、1回に産卵する数が非常に多い昆虫です。益虫であるナナホシテントウの場合、2ヶ月で1600から2600個の卵を産みます。テントウムシダマシはここまで多く産卵できませんが、500から700個以上の卵を産み付けるため、大きな被害をが生み出されるのです。

テントウムシダマシの駆除には

テントウムシダマシを駆除には、いくつかの方法があります。確実な方法は、割り箸などで成虫を取り除くことです。成虫を駆除することで、今後の繁殖も食い止められます。

葉っぱごと切り落としたりすると、益虫であるテントウムシも駆除しかねません。もちろん、風通しを良くするためにカットする方法は有効ですが、害虫駆除としては手間もかかり植物自体も傷つけるのです。

その点で成虫だけを取り除けば、手間はかかりますがテントウムシは維持できます。

困ったことに、テントウムシと同様に成虫で越冬までできるのです。卵を発見できなくても、春先にいきなり被害が出てくるケースもあります。 見つけたら直接駆除する方法は、基本的ですが有効といえるでしょう。

農薬を使って駆除する方法もありますが、自然農薬を使う方法が安全です。木酢液やトウガラシエキス、タバスコが該当します、テントウムシダマシの駆除薬として有効な方法であり、農薬のようなダメージや被害も与えずにすむ方法です。

駆除しきれない場合には、殺虫剤しかありません。農作物にもダメージを与える可能性がありますが、広範囲に素早く駆除できるのは大きなメリットです。この場合には、テントウムシダマシに対して効果があるものを選ばなければいけません。

テントウムシダマシの被害

テントウムシダマシが幼虫が成虫となると、葉の表面に影響が見られます。被害として特徴は、テントウムシダマシが食べてたあとは葉の表皮の部分だけ残ります。それも網目状に食べてしまう点です。この状況だけでも被害が出ていることがすぐに分かります。

テントウムシダマシが葉だけに被害を与えると考えがちですが、ひどい状態となると茎や果肉に対しても影響が出てくるのです。食欲旺盛で、大きな被害を出す害虫なのを忘れてはいけません。

葉が食べられた後、そのまま放置しておくと光合成が出来なくなり、徐々に枯れていきます。葉は縮んだように枯れだし、やがて果実の成長にも影響が現れ収穫量が低下するのです。生育の悪化だけではなく、奇形も見られます。 

テントウムシダマシの予防方法

駆除するだけではなく、テントウムシダマシの発生予防も重要なポイントです。発生しなければ駆除する必要がない以上、真っ先に対策を施しておかなければいけません。

誰でもできる対策は作物にネットを掛ける方法です。テントウムシダマシ自体も大きな昆虫になるので、ネットを張るだけでかなりの予防になります。隣の作物から影響を与えないようにもできる方法です。

風通しの良い状態も、テントウムシダマシにとって良い環境ではありません。他の疫病や害虫にも共通しますが、株を広くとるなど風通しの良い環境を作ってあげるのが大切です。

葉かきをしたりするのも有効でしょう。風通しの良い環境ができると、テントウムシダマシの天敵が発見しやすくなるメリットもあります。ヒメコバチやジョロウグモなどが、テントウムシダマシの天敵です。

卵のチェックも重要です。葉の裏を見ると、テントウムシダマシの卵がついているかどうか判断できます。孵化する前に駆除できれば被害は発生しません。特にナス科やジャガイモなどの農作物は、定期的にチェックしておきましょう。 

テントウムシダマシはできるだけ早い駆除を

テントウムシダマシは、作物にとっては天敵ともいえる昆虫です。見た目で益虫であるテントウムシと判別も容易にできます。

非常に大きな影響を与える昆虫であり、早期の対応が重要です。こまめにチェックしているだけでも判別がつきますので、作物の育成を阻害しないために見落とさないようにしましょう。


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