バッタは観賞用の昆虫のように思われがちですが、れっきとした害虫です。 農作物を食い荒らし、ガーデニングや家庭菜園などで甚大な影響を及ぼしています。
そこで今回は厄介な害虫として知られるバッタを駆除する方法や、対処する際に必要な注意点などを解説します。
目次
バッタは種類によって駆除対策の方法が違う?
バッタの基本的な駆除対策は種類によって違いはありませんが、特殊なケースでは違う対策を取る必要があります。
一般的に農作物や植物の食害を起こすのは、「トノサマバッタ」や「オンブバッタ」です。これらの駆除には専用の薬剤の散布や、ネットを使った駆除対策が基本です。 しかし、数十年に一度くらいの頻度で起こる「蝗害」については対策が抜本的に違います。
蝗害では突然変異をしたトノサマバッタが何百万、何千万と群れをなして飛翔し、農作物を襲います。テレビのニュースなどで見た方もいると思いますが、襲われた場所は農作物だけでなく、草木一切がなくなるほどの惨憺たる被害です。
発生地域はアフリカやアメリカ、中国などです。日本では2007年に関西空港で蝗害が発生しています。 蝗害のように集団で襲われ る場合は、ビニールハウスなどで農作物全体を覆うようにしないと対処できないでしょう。
バッタは群れを成す傾向があるので畑やガーデニングなどで 1匹でも見つけたら 、すぐに駆除して、頻繁にチェックするようにしましょう。そうしないと気づかないうちに大切に育てているシソやバラなどの植物が穴だらけにされてしまいます。
害虫であるバッタを駆除する際の危険性や注意点とは?
家に入ってくるバッタや農作物を食い荒らすバッタのほとんどは、オンブバッタやトノサマバッタです。 これらのバッタは無毒で人に噛み付いたり、刺したりするようなこともありませんので安心して駆除することができます。
ただし、注意して欲しいのは深夜の自動販売機やコンビニなどに群がるバッタです。これらの場所にいるのは実はバッタではなく、よく似た「クビキリギリス」という昆虫です。
クビキリギリスは強靭な顎を持っていて、追い払おうとすると噛み付いてくることがあるので注意してください。 初めて噛まれるとビックリしますが、毒性はないので心配はありません。
バッタは跳躍力があるので、突然顔に向かって飛んだりします。そんな時、びっくりして転倒すると運が悪ければ骨折の危険性もあるので注意が必要です。
このようにバッタを駆除することは自体は、注意すれば 特別な危険はありません。しかし、 どうしても見た目が気持ち悪い、見るのも触るのも嫌だという方は、専用の殺虫スプレーや唐辛子のスプレーを購入して使用すると良いでしょう。
バッタを駆除するための対処法

バッタを駆除するための対処法としては何があるのでしょうか。ここでは具体的に5つの対策について解説していきます。
①手で捕殺する
手で捕まえて駆除するというシンプルな方法です。 一見地味な方法ですが最も確実な方法と言えるでしょう。大量発生している場合は無理な話ですが、1匹や2匹の場合はすぐに対応できるので最も確実な方法かもしれません。
バッタは害虫ですが毒性はありませんし、噛みつかれるようなこともないので素手で捕獲しても安全です。 バッタは数が増えると大変ですので、1匹でも見つけたらすぐに駆除しておく方が安心です。
②天敵を使う
バッタの天敵になっているカマキリを使うのも効果的です。カマキリは家庭菜園やガーデニングなどでは、害虫を退治してくれる大きな助っ人になります。とにかく目の前で動く虫を捕食するのが特性なので、バッタ以外の害虫対策にも有効です。
数匹のカマキリを見つけてきて、食害を受けている鉢植えなどの周囲に放っておきましょう。自分がいない時にガードマンのように働いてくれるのが心強いですね。 しかし、カマキリがどうしても苦手という方には難しいかもしれません。
③シソ科の植物を敷地外へと移す
農作物の食害を招く害虫として知られているオンブバッタは、主にシソ科の植物を好んで食べます。シソ以外にもミントやオレガノ、タイムなどのハーブ類も大好きです。
これらのオンブバッタの大好きな植物を菜園の中心部に置いておくと、 それを求めてオンブバッタが集まるようになってしまいます。 そうなると追い出してもすぐに寄ってきてしまうのが難点です。
対策としてはそれらの植物を菜園の敷地外に置くとか、あるいは菜園の隅の方で育てるようにするだけでも大きな効果を期待できます。
④防虫ネットを使用する
バッタの食害から農作物を守るのに大きな効果を期待ができるのが防虫ネットです。 防虫ネットをしっかり被せていれば、バッタは入り込むことができないので食害はほぼゼロに抑えることができます。
農薬などを使いたくない場合は、防虫ネットあるいは遮光ネットなどを利用することをお勧めします。
⑤殺虫剤や農薬を使用する
どうしても防虫ネットなどが使用できない環境にある場合は、殺虫剤や農薬を利用する方法が良いでしょう。 殺虫剤や農薬を利用することで確実に害虫を駆除できます。ただし、ひとつ問題となるのは、目的となる害虫以外の生物や昆虫すべてに影響してしまうことです。
個人的な趣味としての菜園などは、防虫ネットで十分対応できる範囲なので、殺虫剤や農薬に頼るのは最終手段にした方が良いでしょう。 しかし、害虫による被害の影響が広範囲にわたる場合には、 迷うことなく殺虫剤や農薬に頼ることをお勧めします。
おすすめの殺虫剤(農薬)!
バッタ駆除のための殺虫剤(農薬)として、「スミチオン乳剤」と「ベニカ水溶剤」を紹介します。
①家庭園芸用スミチオン乳剤
●商品の特徴
草木や庭木、野菜や果樹などを食害する広範囲の害虫に効果がある園芸用の殺虫剤です。
●使用方法
水で薄めて散布する。
②家庭園芸用ベニカ水溶材
●商品の特徴
野菜や果樹、花など幅広い範囲の植物に対応します。野菜では「なす・きゅうり・トマト」、果樹では「うめ・かき・かんきつ・ブルーベリー」まで広く利用いただけます。
●使用方法
水で薄めて散布する。
バッタを駆除する時の大切なポイントとは
引用元:防虫ネット(Rakuten)
最後にバッタを駆除する時の大切なポイントについて紹介します。 バッタは害虫ではありますが、毒性がなく危険性も少ないので人体に及ぼす影響はほとんどありません。
しかし、ハーブなどの大切な植物を育てている方にとっては、天敵となりますので1匹でも見つけたらすぐに駆除するように心がけましょう。
殺虫剤や農薬の使用はとても効果的ですが、植物への影響などを考えると防虫ネットや遮光ネットでの対応がおすすめです。