キャッシュレスの時代が加速する中、クレジットカードの支払いの仕組みまで詳しく理解できているでしょうか。実際にそこまでない人が多いでしょう。
内容に関して説明も受けているはずですが、しっかりとされているようで理解しやすいわけではありません。専門用語も多く、とりあえず使えたらいいと思いがちで、分からないままにしてしまうことが多いのです。
そんな中で、自分で気づかないうちにリボ払いになっている人いるのが現状です。これが実はとてもリスクがあり、支払いが膨れ上がる怖いことなのです。支払いの仕組みとリボ払いの危険性について、わかりやすくお伝えしていきます。
目次
便利!?リボ払いって何か

クレジットカードの支払い方法に、便利と紹介されるリボ払いがあります。支払いの負担が軽減出来てわかりやすいと利用している人も多いでしょう。このリボ払いは、正式名称をリボルビング払いといいます。
回転式拳銃を見たことがあるでしょうか。弾を入れている部分が回転していくのが特徴の拳銃です。このシリンダーが回転し、一番上段にきた弾丸を打つ構造になっています。
リボ払いは、クレジットカードの支払い方法として、弾を打つ代わりに支払いをくるくると繰り返していく方式という意味があるのです。そのため、回転信用と呼ばれたりもします。回転していきますが、リボルバー拳銃の弾丸はどれも同じです。違った弾を打つわけではないも、リボ払いと同じ構造なのです。
クレジットカードの支払い方法
リボ払いを詳しく説明する前に、まずはクレジットカードの代表的な支払リボ払いを詳しく説明する前に、まずはクレジットカードの代表的な支払い方法を見ていきましょう。
基本となる1回払い
基本となるのは1回払いです。一括払いと呼んでいるものも、1回払いと変わりません。
利用代金を翌月に全額支払う方法で分かりやすいでしょう。手数料もいらないのが特徴です。
クレジットカードで5万円で使ったら、次の月に5万円が請求されて口座から引き落とされます。誰が見てもわかりやすい方法で、一番基本となる部分が使った金額と支払金額が変わりません。
実際には手数料は発生しています。しかし、負担するのは利用者側ではなく、加盟側なので負担はゼロなのです。
2回払い以降の分割払い
分割払いは、購入する商品ごとに支払い回数を決める方法です。支払い回数はいろいろな設定があり、2回払いから分割払いと呼ばれます。
2回払いまでは手数料がかからないのが基本で、3回払い以降は手数料が発生するのです。この仕組みからもわかるように、支払いの回数が多くなるほど手数料も高くなります。
三井住友カードの例ですが、5万円の商品を10回払いにします。10ヶ月間かけて支払う条件です。この時の支払い総額は53,350円になります。手数料は3,350円です。回数が増えると、もっと大きな手数料を支払わなければいけません。
リボ払いの仕組み
分割払いは支払い回数が基準になっていました。1回払いなら1回、2回払いなら2回という仕組みで分かりやすい方法です。
リボ払いは、支払いの金額を基準にしています。ここが大きな違いで、支払い金額から逆算して、支払い回数が決まるのです。
5万円で考えてみましょう。毎月5,000円支払うリボ払いの設定の場合、10か月つまり10回払って5万円です。実際には利息がありますので、11回以上支払わなければいけません。
この設定はカードを作る時に選ぶのが基本です。毎月2,000円ぐらいの低額もあれば、2万円以上の設定もあります。リボ払いでは、例えば5,000円コースで申し込んだ場合、利用金額がいくらでも1回の支払額は変わりません。ずっと同じ5,000円です。
支払額が一定なので、リボ払いはとてもわかりやすい制度に見えるのは間違いありません。ですが、残高に応じた金利手数料がかかってくるところが重要でリスクなのです。
分割払いとリボ払いの比較
10回の支払い回数で終わりに見えて、5,000円ずつ支払っても実は11回目以降があったところに注目しましょう。リボ払いでは、金利の設定が非常に高くなっており、びっくりするほどに膨れ上がっているケースが出てきます。多くのクレジットカード会社は、リボ払いの金利を15%にしているからです。
三井住友カードで14.25%の実質年率だったとします。10回払いの時は、これで3,350円の金利手数料が発生しました。
リボ払いは楽だということで、3,000円の設定にします。16回支払うと48,000円です。
これを金利15%で比べます。
分割払い10回 | リボ払い3,000円 | |
金利 | 14.25% | 15.00% |
支払い総額 | 53,350円 | 56,410円 |
支払い回数 | 10回 | 19回 |
※リボ払いは残高スライド元利定額方式
金利の差はわずか0.25%ですが、リボ払いでは3,000円以上の支払いが残ります。
さらに回数は9回も多い19回になるのです。16回で48,000円、2回も払えば終わると思っていたら、実は1回余計に必要になりました。
つまり、支払い終わるのに1年半以上かかる上に、リボ払いではかなり余計な支払いが生まれています。1回の負担は下がりましたが、分割払いと比較しほぼ倍の時間が掛かるのです。楽そうに見えても、実はとんでもなく負担が増えているのがリボ払いといえるでしょう。
リボ払いの危険性
リボ払いの危険性は、主に次の三つにまとめられます
1 毎月の利用額にかかわらず支払額が一定だからこそ、利用残高が増えると返済が長期化する
2 通常の分割払いよりも金利が高く設定されているケースが多い
3 どんなに使っても一定の支払額の請求で金銭感覚が狂いやすい
払っても払っても、残高が増えるたびに大きな金利が積み重なっていきます。一定の金額しか支払っていないので、使った感覚が希薄です。そのため、残高をみてびっくりすることも起きます。
恐怖!?リボ払い体験談から分かる事実
リボ払いの怖い話はいっぱいあるものです。そこからどんなことが起きるのか、他人事ではないのを理解しなければいけません。
気が付いたらリボ払いになっていた!?
いつもクレジットカードを使うときには、レジで1回払いにしている人も多いでしょう。自分で確認しているからリボ払いとは無縁だと思うはずです。ですが、注意しないと自動リボ払いになっているかもしれません。
自動リボ払いとは、支払い方法が1回を指定しても自動でリボに変更される仕組みです。SNSなどで何故か勝手に支払いがリボ払いになっているとか、カードの利用残高がすごい金額といった投稿を見かけることがあるかもしれません。この原因が自動リボ払いに隠れています。
本人は一回払いのつもりです。レジでも言っているのだから当然でしょう。でも、自動リボ払いになっていれば、残高は全然減ってこないのです。支払いは少なくておかしいと気が付けばわかりますが、見ていなかったりすればリボ払いが続いていきます。
利用明細を見ない人は、気付くのが遅くなるかもしれませんが、知らないでいると長期間にわたって高い利息を支払うことも出てきます。気が付いたときには、SNSで見かけるような恐ろしい状況になっているかもしれないのです。
なぜ自動リボ払いになったのか
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。そこには3つの原因が隠れています。
1 入会時に自動リボを選択していた
2 ポイントにつられて選んだのを忘れていた
3 申し込みしたのが実はリボ払い専用カードだった
1ですが、ネットなどの申込時にリボ払いのチェック欄がある場合があります。なにも知識なしで自動リボを選択しているケースが出てくるのです。よくわからないけど申し込みできるならと安易に選択すると、自動リボ払いになるのです。
2はリボ払いのほうがカード会社も利益が出るので、キャンペーンを展開していることがよくあります。これ自体が悪いわけではありません。ポイントなども多くなるので、うまく使えばいいだけです。本来はおいしいところが終われば元に戻すだけなのですが、忘れていてそのままになっていると自動リボ払いに変更されてしまいます。
3は、かなりうっかりのミスです。クレジットカードには、リボ払い専用のカードがあります。知らずに作っていれば、当然1回払いだろうがリボ払いになるのです。よく読んで申し込みすればと思っても、時すでに遅しといえるでしょう。
リボ払いとクレジットカード会社の関係
なぜここまでリボ払いが浸透してきたのかといえば、クレジットカード会社にとって儲かるからです。非常に利益が高いため、商売としてもリボ払いを前面に出してきます。いろいろなカード会社の決算資料に出ていますが、リボ払いがカードショッピングの利益の4割にもなっているケースがあるのです。
それぐらい利益が出る仕組みだからこそ、カード会社は前面に打ち出し、キャンペーンも展開してきます。ポイントをいっぱいくれると思っていたらリボ払いだったというのは、このケースにあたるでしょう。
問題はこのキャンペーンなどが悪いわけではありません。クレジットカード会社も商売ですので、売り方として悪いのではなく利用者もメリットがあることを前面に打ち出してきます。危ないのはリボ払いのリスクと使い方を知らなかったことなのです。
リボ払いで困らないためには
リボ払いの悪循環に陥らないためには、利用明細の確認が大切です。支払いが自動リボ払いになっていないかどうか、チェックする癖をつけましょう。
もしも、自動リボ払いになっているなら、残高をできるだけまとめて返済します。これによって、残高が少なくなり金利の負担が軽減できるからです。同じような効果は毎月の支払額を上げるだけでも生まれてきますので、現状を見直してみるといいでしょう。
高額の買い物では、どうしてもリボ払いと思うかもしれません。2回払いであれば、金利も掛からないのを忘れないでください。高額商品になれば、金利だけでも相当な金額を支払うのです。ボーナス払いを使うのもおすすめで、これでも金利を抑えられます。
リボ払いでは、思っている以上の負担がまっています。負担だけがどんどん増えていくので、リボ払いには十分注意してください。