クレジットカードを持っている人、使ったことがある人なら、リボ払いは聞いたことがあるでしょう。なじみのあるものでもあるはずです。
ですが、油断してはいけません。リボ払いで人生詰んでしまうケースもあるからです。びっくりするような話もありますが、今回はリボ払いなど手を出してはいけないことを順を追って解説していきます。
目次
基礎となるクレジットカードと支払い方法
クレジットカードとリボ払いの関係は浸透してきた使い方です。だからこそ、本当に知っているのか、認識はあっているか再確認してみると違いが見えてきます。
クレジットカードとは
クレジットカードとは、信用力で支払いの先送りができるものです。今支払わなくても、あとからお金を支払えます。決められた日に請求がくるのでそこで支払するのは、個人の信用力で伸ばしているからです。誰でもクレジットカードを持てるわけではない理由になっています。
支払い日はクレジットカード会社で違いがあり、20日や末締め、5日などです。限度額も個人の信用力で変わりますので、一定ではありません。取引実績があると、それだけ信用力があるとみなされて、大きくなるケースも出てきます。
クレジットカードを使わない人もいるでしょう。信用力の調査で作っても、しまって出さない人も結構な数います。精神的に怖い感覚がある人は、そのまま使わないのが正解です。社会的にキャッシュレスが進められていますが、眼の前のお金が増減しないため、まったく使っている感覚がないことで使い過ぎるリスクが高まります。
ただし、理解して使える人は、メリットを生かせるのも確かです。支払いも簡単ですし、なによりも現金を持ち歩かない安全性があります。石橋をたたいて渡る人なら、携帯にリンクさせるなどうまい使い方を考えていくといいでしょう。こうした人は、リボ払いなどではまる危険性も高くありません。
危ないのは、はじめてクレジットカードを使う人や慣れている人でしょう。使い方がわからないことや、よくわかっているがゆえにはまるのです。
リボ払いとは
信用力で後払いにできるのは、基本的に変わりません。違いがあるのは、支払いが分割されている点です。いくら使ったかは関係なく、一定額を返済していく形がリボ払いの特徴になります。
返済は一定額ですが、1万円と決めたら返済額は変動しません。しかし、そのうちいくら元金に繰り入れできるか、利息の返済に充てるか、いろいろな方法が作られてきました。
金利はどこでも大体15%の設定です。この設定は、驚くほど高いのを忘れてはいけません。預金金利がびっくりするほど低い時代なのを考えると分かるでしょう。15%は合法ですが、ありえないほどの設定なのです。リボ払いは便利で金利設定を見逃してしまいがちですが、限界に近い高いレベルで支払和なければいけません。
厄介なのは、初めからリボ払いに設定されたクレジットカードのケースです。自分で選択しているはずですが、知識がなく気が付かずに選ぶととても危険な状態といえます。今はネットでもクレジットカードが作れますが、知らずにリボ払いにチェック入れていたりすると、不注意でリボ払いとしてスタートしているのです。
悪夢のリボ払い
リボ払いがいかに怖いことか、便利なわけじゃないのを説明していきます。これがわかると、リボ払いにしようとは考えなくなるはずです。
リボ払いと支払
クレジットカードを使うと、1回払いなら翌月の請求に載ってきます。これを支払ったら終わりです。あとは何も問題ありません。
リボ払いは、1回の支払い金額が決まっています。毎月の負担は変わりませんから、いくら使っても同じと思うでしょう。毎月の引き落としは3万円と設定して、200万円までいったとします。
1年間で返済できる金額は36万円です。利息がなければ、6年弱で支払いが終わるでしょう。ところが、利息は15%で、どんどん積み重なっていきます。結果として支払い終わるのは、12年半後なのです。
設定金額 | 200万円 |
支払金額 | 3万円 |
支払総額 | 4,482,522円 |
利息総額 | 2,482,522円 |
支払期間 | 約12年半 |
使った金額よりも多い金額を利息で支払わなければいけないのです。それも250万円近い金額をとられます。15%というのは、それだけ重くのしかかるのを忘れないでください。
なぜこんな支払いになるのか
これがリボ払いの怖さです。3万円も支払っていましたが、実は元金に繰り入れしていた金額は、わずか4,000円ちょっとでした。つまり、25,000円ちょっとの金額が利息だったのです。
もしも、3万円以下の支払い設定だったら、利息が上回ってしまうのです。永遠に返し終わらないどころか、増えていく可能性すらあります。
もちろん、クレジットカード会社でも、3万円以下の設定をOKとはしません。返済できないのがわかっているからです。一生返し終わらない前に、このような設定にはできないため、先に返済額が上がるか上限の設定が200万円にならないかどちらかとなります。
それでも、このような状況が恐ろしいというのを理解してください。恐ろしい状況を生み出すのが、リボ払いなのです。
なぜリボ払いは浸透してきたか
リボ払いは、クレジットカードを持つ人なら、名前ぐらい聞いたことがあるものとなりました。でも、驚くほどリスクがあるのに、なぜここまで浸透してきたのでしょうか。
クレジットカード会社が儲かる
クレジットカード会社からすると、リボ払いは儲かります。15%の金利手数料を考えたら、とにかく利益が上がるわけです。だからこそ、クレジットカード会社からすれば、どんどんと前面に押し出していきます。利用者を増やすことが自社の利益につながるからです。
強い言い方をすれば、クレジットカード会社は利用者の生活など関係ありません。支払ってもらって利益が出ればいいわけです。
儲かるからCMなども前面に出る
広告業界から見ると、CMを出してくれる金融系の会社はありがたい存在です。クレジットカード会社もどんどんと集めて利益を出したいので、CMをどんどん打ちます。テレビだけではなく、動画などでもとにかく見かけるでしょう。それほどCMを出しても、クレジットカード会社は儲かるのです。
リボ払いの名称も影響しています。怖いと感じるような名前ではないので、CMとしても映りがいいわけです。専用のキャラクターを設定するのも、不安感をあおらないためといっていいでしょう。
毎月定額返済という誤った安心感
毎月定額でいいというのは、とても安心感のある支払い方法です。判断は誤っているとしても、一定額なのは生活のリズムがつくりやすくなります。来月も3万円でいいと思えば、100万円でも200万円でもあまり怖さを感じません。当然ですが、利用者も拡大していくでしょう。誰でもそう感じるはずです。
最初はだれも怖さを感じませんし、リスクを理解できません。理解できたときには、アリ地獄に落ちてしまうわけですが、それまでは安心感に包まれているのです。
破滅にもつながるリボ払いの恐怖
一見すれば便利で安心なリボ払いですが、そんな甘くはありません。人生を棒に振るほどの怖い存在なのをご説明していきましょう。
リボ払いは借金
リボ払いにして、人生を詰んでしまった人は結構な数にのぼります。知らないほうが悪いというのは簡単です。でも、実際にリボ払いの怖さを教えてくれる人が身近にいるでしょうか。クレジットカード自体がだめという人はいても、リボ払いの怖さを説明できる人はそうはいないのです。
本来はクレジットカード会社が説明しなければいけませんが、そんなことをすれば利益相反します。だから、教えたりはしません。警告を出す場合はありますが、脅威に感じさせないようにします。
リボ払いとは借金です。お金を借りているのと何ら変わりはありません。利息15%でお金を借りているのと、ほぼ同じなのです。消費者金融でお金を借りているのと変わりません。それほど危険なものに手を出しているのです。
他のローンや融資と比較
家を買うときには、あまりに高額なので住宅ローンを使うのが一般的です。そうでなければ払いきれないかもしれませんし、現金がたまるのを待っていたら、いつまでたっても手に入れることができません。
この住宅ローンは、金利もいいところ1%前後に落ち着きます。それでも高いといわれることがあるわけです。
金利が高いといわれているのが、事業性融資といわれるものになります。仕事用の資金を融資してもらうやり方です。運転資金を事業融資にしている人もいるでしょう。個人事業主でも利用する人がいらっしゃるはずですが、大体3%です。もちろん、かなり高い金利設定ですが、15%というのがおかしいことに気が付かなければいけません。、事業融資も高い商品で5%までです。それ以上に設定しても、借りてくれる人はいないからです。
これほどまでにけた違いに高い金利を抱えていけば、支払い期間も伸びるのは当然です。どんどん苦しい状況に陥り、やがて破産しても返せない人が出てきます。リボ払いにしているのは、破滅の道を自分で選んでしまっているのです。
リボ払いから抜け出すためには
リボ払いというシステムが悪いわけではありません。利用したほうがいい場面もあるのは確かです。
問題は、抜け出せない人がいるところにあります。返済もできなくなり、身動きが取れなくなるパターンです。一体どのような対策があるのか、改めてみていきましょう。
とにかく返済
リボ払いの最大の問題は、金利の高さにあります。金利がかからなければ、定額返済がありがたいのは間違いのない事実です。
利用したとしたら、対策が必要です。そのポイントは利息がかかる前に返済することにあります。
残金があれば金利15%が重くのしかかりますが、少しでも多く返済していくことで重みを軽減できるのです。つまり、とにかく前倒しで返済していかなければいけません。それこそ預金があれば、先に返済に回したほうがいいでしょう。預金の金利がスズメの涙といわれる時代です。リボ払いの15%をできるだけ軽くしたほうが、預金しているよりメリットがあります。
知り合いや両親から借りられるなら、それでも前払いするべきです。15%というのは、それほど驚異だと認識してください。
リボ払いを使わない
使えば使うだけ元金が増えます。二度と使わないことが、リボ払いの対策として重要ポイントです。
リボ払いには安心感があるかもしれませんが、使えば元金が減らず、15%の金利の餌食になるだけなのです。まずはクレジットカードは封印してしまいましょう。使わないように封印してしまえば、リボ払いの恐怖はなくなります。使わずに返済すれば元金は減るのですから、借金を増やす方法は徹底排除するのです。
債務整理も考える
債務整理というとネガティブな印象もあるでしょう。しかし、リボ払いで身動きが取れない人生を送るなら、一度債務整理するほうがやり直せる可能性があります。
債務整理により信用情報に傷がつき、クレジットカードを作れなくなります。でも、いつか消えてなくなるわけです。一般的に5年で事故情報は削除されるようになりました。それもリボ払いで払い続けている期間より短いことがほとんどなのを忘れてはいけません。リボ払いでは、10年程度支払い続けるケースはざらに起こるからです。
リボ払いがあれば、住宅ローンなどの審査にも通らないかもしれません。この点も債務整理と変わりません。それならば、債務整理したほうがやり直せる可能性が高いのです。
就職するとしても、債務整理を話す必要はありません。生命保険なども、ほぼ影響を受けないのが債務整理です。条件によって仕事に制限が出ますが、実際にほとんど関係はありません。生きていくうえで、そこまで大きな制約はないのです。
もちろん、無条件で債務整理ができるわけでもなく、最後の切り札というわけでもありません。リスクはありますが、それでもリボ払いで地獄に落ちるよりよほどましな選択でしょう。
リボ払いは危険なことと思うこと
リボ払いはとんでもなく危険です。この認識が欠けているのが危険なのです。いいものであれば営業などしないでもどんどんと売れますが、そうはいかないからクレジットカード会社は積極的に広げます。
積極的な営業で相手から勧められる金融商品は、リスクがあると思って間違いありません。一歩引いて考えればわかることも多いので、まずは一呼吸置きましょう。本当にいいものなのか、使ってもいいかを考えると、リボ払いのリスクにも気が付くのです。人生を破綻させるだけの力があります。
もしも、リボ払いで苦しんでいるなら、すぐにでも対策を打ちましょう。人生がこれ以上壊れる前に、立て直していかなければいけないからです。