DV夫と離婚をするには? 安心して離婚をするためのポイントを解説

新型コロナウイルス対策で外出自粛が求められている中、生活不安やストレスを抱える人が多く、その影響で夫のDV (ドメスティックバイオレンス)が原因となる離婚のリスクが高まっています。

そういった苦しい状況の中で、DV 夫との離婚を真剣に考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回の記事では、 DV 夫と安心して離婚するためのポイントを解説していきます。

目次

もしかしたらそれは DV(ドメスティック・バイオレンス)かも?

近年 DV(ドメスティックバイオレンス)に関係する相談は増加しており、多くの方が恋人や夫からの理不尽な暴力で悩まされていることがうかがわれます。

また、DV の被害者の中には、相手の支配下の中でDV 自体に気づいていないケースも多く見受けられます。 

DVとは?

配偶者暴力( DV) とは 親密な関係にある男女間の暴力のことで、具体的には配偶者や事実婚のパートナーなどから暴力を受けることです。

ただし、暴力は 殴る蹴るなどの物理的な暴力だけでなく、相手に精神的なダメージを負わせる言葉の暴力や性行為(性的暴力)の強要なども含みます。 

これらの暴力は家庭内で起こることが多いので、 外部の人が見つけにくく長期にわたり繰り返されることが多く、 恐怖や不安の長期化により被害者は深刻なダメージを受けることがあります。

DVをする人の特徴は?

DV をする人には性格的な共通面が多く見られます。 DV をする人の特徴としては以下のようになります。 

<DV をする人の特徴>

1. 意志が弱い

2.気分の浮き沈みが激しい

3.自分に自信がない

4.女性に依存している

5. 基本的に優しい

DV 傾向のある人は、 一見分かりにくいという場合があります。 人当たりも良く社会的信用のある人もいますし、表面的には優しい人も多いです。

そのため交際中にはDV 体質であることが分からず、同棲や結婚して婚姻生活を送ることでDVが発覚するケースが後を絶ちません。

DV被害から逃げることができないのはなぜか 

多くのDV 被害者がDV 夫やパートナーから逃げることができずに苦しんでいます。 なぜ逃げることができないのでしょうか? その代表的な理由5つを以下に説明します。 

1. 恐怖感による支配

暴力に対して強い恐怖感を持っており、逃げたらもっとひどい暴力を振るわれるのではないかという恐れから、逃げることができない状態になています。

2.無力感に陥っている

長期間にわたり暴力を振るわれ続けることによって、「誰も助けてくれない」「 諦めるしかない」という無力感で動けない状態です。

3.配偶者に経済的に依存しすぎている

自分に収入が全くないなど配偶者に経済的に依存しすぎていると、別れると生活が立ち行かなくなるという恐怖から逃げられないでいます。

4.子供の問題

夫婦に子供がいる場合、 学校など教育環境やひとり親になることによる精神的な影響など を心配してDV から逃げられない状態です。

5. DV 被害の自覚がない

DV 被害を受けていても、 パートナーが暴力をふるうのは愛情であり責任は全て自分にあると思いこんでいる場合で、DV被害の自覚がないため解決が最も困難なケースです。

1~5の要素が重なり合い DV 被害者を縛り付けることによって、逃げられない状況に陥っていると考えられます。

DV被害の相談を受けられる場所 

まずは両親や信頼できる友人など身近な人に相談してみましょう。 身近な人たちは心配してくれるので真剣にアドバイスしてもらえますが、時に感情が入りすぎて客観的な視野に立ったアドバイスが難しい場合も考えられます。

そういった場合には、都道府県など公的機関が設置する配偶者暴力相談支援センターや婦人相談所などに相談するのも良いでしょう。 

離婚問題に関する専門的な知識をベースにアドバイスしてもらいたい場合は、専門資格を持った離婚カウンセラー事務所に相談するのも1つの手段です。

また具体的にどこに相談していいのか迷っている場合は、内閣府の 「DV 相談ナビ」 や 「DV 相談+(プラス )」なら全国どこからでもアクセスできます。

リンク:DV 相談+(プラス )

DVを理由に離婚できるのか?

 DV 被害を理由に離婚しようとしても、 DV 夫の場合は離婚を拒むことが多いので、簡単に離婚できないケースが多いです。

話し合っても相手が離婚に応じない場合は 、離婚調停や離婚訴訟を裁判所に申し立てることになります。 特に離婚裁判で相手に勝つためには DV が「婚姻関係を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当することを、裁判所に認められる必要があります。

裁判所に認められる為には、 DV の程度や回数、怪我の状態など事実を裏付ける証拠が必要です。 「婚姻関係を継続し難い重大な事由」 に該当することを証明できる証拠としては次のようなものがあげられます。

  • 実際のケガを写した写真
  • 医師が書いた診断書
  • DV を証明できる録音データ(暴言など) 
  • DVが行われている様子の写真・動画、散乱した部屋の様子など
  • 脅迫メールや脅迫状など
  • DV を受けている事実を知っている知人の証言を含む供述書
  • DV を記した日記など 

DVの配偶者と安全に別れる方法

DV の配偶者と別れようとすると、場合によってはケガや身の危険を感じる場面に遭遇することも考えられます。 ここでは無理せず安全に別れられる方法について解説します。

1.警察や弁護士などに相談する

まずは身近な実家の親族や両親に相談しましょう。 身近な人に自分の現状を知ってもらうことで、トラブルがあった時に援助を求めることができます。

次に都道府県が設置している「配偶者暴力相談支援センター」などの公的機関に相談するようにしましょう。 ここでは個別の相談やカウンセリングなどはもちろん、他の相談機関への紹介などもしています。

 DV による身の危険が生じている場合には、安全の確保や一時保護なども可能です。また自立して生活するための情報提供や援助など、幅広いサポートを受けることができます。

緊急性がある場合は、警察への相談も検討しましょう。状況によっては一時的に避難できる DV シェルターに隠れることもできます。 

離婚したいという固い決意がある場合は、慰謝料や養育費などの請求も含め法的手段に訴えるケースも考えられるので、離婚専門の弁護士に依頼することも検討しましょう。 

2.DV の証拠を集める

先にも記述しましたがDV による離婚を成立させるためには、それを証明できる確実な証拠が必要となります。有効な証拠をどれだけ集めるかが勝負です。

例えば DV が原因によるケガの診断書や、ケガの部分の写真、暴力行為に及んだ時の映像や録音などが有効な証拠となります。 また具体的なDV の内容を記した日記なども証拠となります。

3.別居する

DV夫に離婚を切り出した後で逆上して何をするかわからない場合は、実家や賃借住宅、あるいは DV シェルターなどを利用して別居する必要があります。 

とにかく事前に別居先を用意しておくことがとても大切です。また一旦別居してしまうと DV の証拠を収集するのが難しくなるので、別居前に十分な証拠を集めるようにしましょう。

4.調停を行う

離婚の手続きとしては、はじめに夫婦同士で話し合いをします( 協議離婚)。 当事者間の話し合いで合意が得られない場合は、裁判所に調停を申し立てることになります。

 調停では調停委員を介して話し合いが行われることになりますが、 弁護士が代理人になれば、調停の日に出頭しないことも可能です。この調停でも合意が得られない場合は、次の離婚訴訟に移行することになります。

5.離婚訴訟をする

離婚調停で合意形成ができなかった場合には、 裁判所に離婚裁判(離婚訴訟)を申し立てます。裁判においてDV の事実が裁判所に認められれば、裁判官によって離婚が決定されます。

そのためには、民放の「 その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する DV の証拠をどれだけ提示できるかが鍵になるでしょう。

DVは離婚するしないに関わらず専門家に相談しましょう!

 DV が原因となっている離婚は、 その他の理由による離婚とは決定的に違い、暴行罪や傷害罪、侮辱罪、強制性交罪にもなりうる許されない犯罪行為です。

またDV が発生する原因としては、夫の DV気質はもちろんのこと、男尊女卑の考え方や男女の収入格差など個人の問題としては片付けられない幅広い問題も含まれるので、 1人で解決するのは難しいだけでなく危険もともないます。

現在 DV で離婚を考えている方は、公的機関や離婚カウンセラーや弁護士などの専門家に相談することを念頭に置きましょう。


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