高いと評されることの多いリボ払いの手数料。「分割払いの方がお得」「リボ払いは損するだけ」などという意見も耳にします。しかし、実際にどの程度手数料がかかるのかは計算してみないとわからないですよね。
そこで今記事では、リボ払いの手数料の計算方法や分割払いとの違い、カードローンへの借り換えについて詳しく紹介していきます。
返済額シミュレーションや、それぞれのメリット・デメリットについても徹底解説。しばらくピンチで返済額を減らしたい…そんなあなたはぜひチェックしてみてくださいね。
目次
クレジットカードのリボ払いの仕組み
クレジットカードのリボ払いは、月々の利用額、利用件数に関わらず、毎月の支払い額を一定に設定する支払い方法です。
利用額による支払い額の増減が少ないので、毎月決まった額のみ引き落としたい場合や、急な出費がかさんでしまった場合にとても便利なんですよ。
しかし、毎月の支払い額にプラスして、手数料を必ず支払わなければなりません。
一般的には「一括払い」または「分割2回払い」の場合、手数料がかからないことが多いですが、リボ払いは2回の支払いで返済が終わったとしても手数料がかかってしまいます。「リボ払いは手数料が高い」といわれる一つの原因ですね。
リボ払いの支払い金額を計算するには?
実際にリボ払いの支払い金額を計算するために、実質年率というものを知っておきましょう。
実質年率とは、一年間利用期間が続いた場合の手数料の比率のこと。実際には日割りの計算となるので、手数料は毎月の支払い額、返済残高によって変動します。
リボ払いの手数料を計算する方法
リボ払いの手数料は、多くの場合以下の式で計算できます。
返済残高×実質年率×利用日数(支払日の翌日~次回の支払日)÷年365日
実際の利用残高や日数をこの計算式に当てはめることで、実際に支払わなければならない手数料がわかります。
リボ払いの返済額シミュレーション
それでは、以下の条件でリボ払いを行った場合の返済シミュレーションを行ってみましょう。
- 支払日…毎月10日
- 利用日…n月1日
- 利用額…20万円
- 毎月の支払い設定額…2万円
- 実質年率…15.0%
支払いn回目 | 毎月の支払い額 | 支払い残高 | 手数料 |
---|---|---|---|
1回目 | 20,000円 | 180,000円 | 2,136円 |
2回目 | 20,000円 | 160,000円 | 2,219円 |
3回目 | 20,000円 | 140,000円 | 2,038円 |
4回目 | 20,000円 | 120,000円 | 1,783円 |
5回目 | 20,000円 | 100,000円 | 1,380円 |
6回目 | 20,000円 | 80,000円 | 1,273円 |
7回目 | 20,000円 | 60,000円 | 986円 |
8回目 | 20,000円 | 40,000円 | 764円 |
9回目 | 20,000円 | 20,000円 | 493円 |
10回目 | 20,000円 | 0円 | 254円 |
合計 | 200,000円 | 13,326円 |
上記の条件でリボ払いを行った場合、実際に支払う手数料の総額は13,326円となります。高いと感じるかは人によると思いますが、毎月2万円のみを支払える状況と仮定すると決して安くはない金額ですよね。
このように、支払い期間が長くなればなるほどリボ払いの手数料はかさんでしまう結果に。
やむを得ない事情もあるかもしれませんが、月々の支払い額は可能な限り多めに設定しておき、支払い期間を長くしないのがおすすめです。
また、各クレジットカード会社の公式サイトでも支払いシミュレーションが行えます。利用予定額と毎月の支払い額を当てはめて、手数料がどのくらいかかるのか、許容できる範囲なのか、確認してみるのも◎ですよ。
分割払いとリボ払いはどう違う?メリットとデメリットを比較
よく比較される分割払いとリボ払いですが、それぞれにメリット、デメリットが存在します。
リボ払い | 分割払い | |
---|---|---|
メリット | ・毎月の支払い額を一定にできる ・支払いコースの金額を自由に設定できる | ・指定の回数で支払いが終わる ・2回払いまでは手数料無料 |
デメリット | ・高額の場合返済額が減りにくい | ・月々の支払い金額が指定できない |
リボ払いは、毎月の支払い額を一定にできるため、急に大きな買い物が必要になったときにも安心。しかし、利用額に対して月々の返済額が少額すぎると、返済額がなかなか減らず、手数料がかさんでしまいます。
リボ払いを利用する場合は支払い期間や手数料をシミュレートし、状況に応じて支払い額の増額や、繰り上げ返済も視野に入れるのが◎ですね。
一方で「支払い額を指定できる」分割払い。月々の支払い額が回数によって固定されてしまうため、利用額が多いときはその分支払い額が増額してしまいますが、計画的に高額の買い物をしたい場合にはとても便利です。
また、多くのクレジットカード会社では分割2回払いまで手数料がかかりません。リボ払いで少ない回数の支払いをするより、分割払いを選んだ方が結果的に支払い総額が少なくなることもあります。
それぞれのメリット、デメリットをしっかりと把握し、利用予定額、毎月に支払える額に応じてどちらの支払い方法が適しているか考えましょう。
クレジットカードよりカードローンの方が便利?
リボ払いを続けるよりも、カードローンに切り替えた方がいいという意見も。確かに、多くのカードローンの金利は14%前後とリボ払いの実質年率よりも低い傾向です。
リボ払いで返済し続けるより、カードローンで借り換えた方が総支払い額が少なくなる可能性は十分にあります。
カードローン借り換えの際の注意点
しかし、安易にカードローン借り換えに移行するのは×。借り換えの際に、注意しなければならない点が3つあります。
- 借り換えた方が本当に支払い額が少なくなるのか
- 借り換えたあとも支払い額を少額にしすぎていないか
- 借り換えの審査に問題はないか
「カードローンの利息の方がリボ払いの手数料よりも安い」と前述しましたが、“多くの場合”であり“必ず”安くなるわけではありません。
返済額や、毎月の支払い額によっては結局リボ払いと同じ、もしくはそれ以上の額を支払うことになってしまいます。
分割払いとの比較と同じく、返済シミュレーションを利用し、どちらがよりお得なのかをしっかりと確認する必要があります。
また、カードローンもリボ払いと同じく、毎月の支払い額が少額すぎると返済残高が減らず、利息がかさんでしまう可能性も。カードローンを利用する際も、可能な限り月々の支払い額は多めに設定しておきましょう。
そして、忘れてはならないカードローンの審査について。ローン審査はクレジットカードの申し込み審査とは別に行われます。審査の際には現状のクレジットカード利用枠にプラスして、カードローンを利用した場合の借入額を合算、返済能力の有無を確認されます。
その結果、返済能力無しと判断され、カードローンの利用ができないことも。「リボ払いで困ったらカードローンに換えたらいい」という言葉に乗せられないように注意しておきましょう。
リボ払いにするときに気をつけておきたいこと
ポイントをおさえて計画的に利用すればメリットの多いリボ払い。しかし、次の2つの注意点を意識せず、無計画に利用を続けるのは危険です。最悪の場合返済ができず、破産手続きに追い込まれてしまうかもしれません。
リボ払いは使いすぎに注意
リボ払いの手数料は、支払い残高と支払い期間によって変動します。特に、支払い残高が減らない内は手数料も多く取られるため、返済が終わるころには目も当てられない額に…なんていう可能性も。
それを防ぐため、リボ払いの利用は最小限にとどめましょう。総利用額ではなく、購入ごとに支払い方法を設定し、必要な場合にのみリボ払いを適用するのがおすすめです。
リボ払いの請求額は残高に応じて増えることが多い
月々の支払い額を一定に指定できるリボ払いですが、もちろん例外もあります。多くの場合、支払い残高が一定額まで達した場合、月々の最低支払い額が自動的に増額される仕組みになっています。
例)楽天カードの場合
利用残高 | 月々の最低支払い額 |
---|---|
~20万円まで | 3,000円 |
20万円~ | 4,000円残高5万円増加→1,000円ずつ加算 |
「支払い額を設定しているからと楽観視していたら、いつの間にか月々の支払い額が跳ね上がっていた!」といった事態を防ぐため、リボ払いの利用中は常に残高に気を配り、順調に返済できているか確認するのがベター。
支払い残高がなかなか減らず、手数料もかさんでいると感じた場合は、繰り上げ返済も検討するのが良いかもしれませんね。
リボ払い利用時は返済シミュレーションで計算・確認してみよう
リボ払いの手数料の計算方法や、返済シミュレーションのやり方についてご紹介しました。
リボ払いは利点も多い半面、無計画に使うと最悪の場合破産に追い込まれてしまいます。残高が順調に減っているか、利用額に対して支払い設定額のバランスがとれているかなど、返済シミュレーションを利用して確認するのが◎。
状況に応じて繰り上げ返済の検討や、カードローンの借り換えも視野に入れましょう。しかし、自分の力ではどうにもならなくなってしまった場合、無理は禁物。全国の消費生活センターや、法テラスなどに相談することも選択肢に入れておいてくださいね。