信じていた夫の浮気(不倫)が発覚したら,、ショックと怒りで感情的になり、すぐに離婚を決意する女性も多いと思います。しかし、待ってください。 早まって離婚を急ぐと後になって後悔するかもしれません。
また、離婚する影響は当事者だけでなく、子供や親など周りに対する影響も心配です。特に小さいお子さんの場合は、精神的ショックも大きく、将来の成長に悪い影響を与える可能性があります。
実際に離婚経験者の中には、離婚後の生活の辛さから「もっと冷静になればよかったと」後悔する人も多いようです。
今回の記事では、夫が浮気をした時に早まって離婚して後悔しないように、離婚する前に押さえておきたい4つのリスクについて解説します。
目次
リスク1:まだ愛情が残っている場合は後悔する可能性がある。
早まって離婚してしまうリスクの1つ目は、「一時的な感情で離婚してしまい、後で後悔する」リスクです。
夫の浮気に強い怒りの衝動が起きるのは理解できますが、一時的な感情で離婚をしてしまうと後になって後悔する可能性があります。
特に夫の浮気が発覚した当日に、離婚を切り出すのはやめましょう。 激情に任せて思ってもいないようなことを言ってしまい、 後戻り出来ないような状態になってしまう可能性があります。
ショックと怒りで頭が真っ白になるかもしれませんが、そこはぐっと抑えて冷静になりましょう。 時間の経過とともに心は落ち着いてきますので、そこからゆっくり考えてみることが重要です。
冷静に考えられた時に、夫に裏切られた耐え難い辛さと、人間としても軽蔑する感情があり、とても我慢できないようであれば、離婚してもおそらく後悔はしないでしょう。
しかし、まだ愛情が残っている場合は、離婚しても後で後悔する可能性があります。そんな時は、少し冷静になってもう1度自分の気持ちを見つめ直してみましょう。
● 夫と一緒にいたいという気持ちが少しでもある。
● 新婚時代の楽しい思い出が蘇ってくる。
もし、上記のような感情が少しでも残っているなら、時間をかけて自分の気持ちを整理する必要があります。
夫の浮気も「ただの遊びなのか、本気なのか」によって展開はだいぶ変わってきます。とにかく今の気持ちに正直になって、 夫と冷静に向き合って話し合いましょう。 俯瞰的に判断するためにも周囲に相談しても良いでしょう。
リスク2:子どもの将来に悪影響を与える懸念がある.
早まって離婚してしまう2つ目のリスクとしては、「子供の将来に悪い影響を与える懸念がある」ということです。 あなたの離婚という選択は、子供にとって精神的に悪い影響与えるだけでなく、金銭的な苦労や教育の面でも暗い影を落としかねません。
離婚は、子供にとっても深刻な問題であることを十分に自覚しましょう。 特に子供が人格形成期にあたる幼少期の場合は、深刻な影響を与える可能性があるため、子供が大きくなるまで、離婚をしないという選択もあるでしょう。
ただし、その場合は夫にも悟られないように、完璧に良い妻を演じなければいなりません。なぜなら、夫に悟られて、いがみ合い喧嘩のたえない夫婦生活を続けたら、離婚した場合よりも子供に悪い影響を与える可能性があるからです。
親権は必ず母親に渡るとは限らない
離婚協議で決めなければならないことに子供の親権問題があります 。基本的に子どもが小さいうちは親権は母親に渡ることが多いのですが、状況によっては必ずしも母親に親権が渡るわけではありません。
以下のような状況がある場合は、母親に親権が渡らない可能性があります。
<母親に親権がわからないケース>
● 子供に母親が虐待をしているケース
● 母親に精神、あるいは体の健康状態に問題があり、就労や育児が困難なケース
● 父親の方が母親に比べ子育てに適している環境にいるケース
● 子供自身が父親との生活を希望しているケース
上記のような状況がある場合、 父親に親権が渡る可能性があります。 母親の中には怒りに任せて子供を家に残したまま、衝動的に家を出て行ってしまうことがあり、その場合、親権争いになった時に母親に不利になるはたらく場合があります。
いずれにしても親権は親の希望というよりは、どちらの親で育つことが子ども本人のためになるのかということが基準です。 親権を持ちたいと考えるなら、早まった行動をしないように冷静になって行動することが大切です。
そして離婚後に安心できる生活を送れるように、1日も早く安定した収入を得られる仕事を見つけることと、 保育や学校など、育児や教育に適した環境を作って行きましょう。
慰謝料をもらえなくなるケースもありうる。
早まって離婚してしまう3つ目のリスクとしては、「慰謝料の請求ができない」可能性があるということです。
夫の浮気や不倫が原因の場合、怒りのあまり、話し合いもせずに家を飛び出して離婚届を夫に送りつける妻もいます。 しかし、このような行動とってしまうと、 結果的に自分が損をすることが多いです。
夫に対して慰謝料を請求するには、 「不倫を証明できる確実な証拠」が必要です。 安易に行動を起こすと夫が証拠隠滅に走る可能性があります。場合によっては、夫が不倫していることをに気づかないふりすることも必要です。
夫を自由に泳がせている間に、浮気の証拠物件をしっかりと集めておきましょう。 確実で十分な証拠が集まった段階で離婚に進めば、慰謝料を含め自分の有利な条件で離婚を進めることができるでしょう。
怒りに任せて衝動的に行動すると訴えられることも
夫の浮気が発覚した時に、 妻のあなたが怒るのは当然です。ましてやそれが 初回でなかったら 、夫に対する怒りのエネルギーは相当なものでしょう。
しかし、その怒りの衝動を抑えられずに、突発的な行動してしまうと 逆に夫から訴えられるケースもあります。
例えば、不倫相手の女性を突き止めて乗り込んで行ったり、 不倫相手が同じ職場の女性ということで、2人が勤めている職場に、不倫の事実を暴露するようなメールを送りつける妻もいるようです。
こういった行き過ぎた過激な行動に出ると、 夫や不倫相手の女性から名誉毀損で訴えられることがあるので注意しましょう。
セックスレスが原因になる場合も
夫が浮気や不倫をする原因として、 妻がセックスを拒むことによる「セックスレス」が原因となるケースもあります。
セックスレスの基準は、日本性科学会が1994年に定義したところによると、「セックスレス」とは、「特別な事情が無いにも関わらず、カップルの合意による性交あるいはセクシャルコンタクトが一か月以上ないこと」を指します。
一般的に月に1回のセックスがあればセックスレスとは認められません。しかし、1年以上セックスレスが続いている場合は、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」 に該当するため離婚理由として認められるケースもあります。
そうは言っても、セックスレスを理由に夫の不倫を正当化することはできませんので、慰謝料の請求ができる可能性は高いでしょう。 ただし、妻側にも過失がある場合は慰謝料として請求できる金額が減額される可能性もあります
財産分与をしてもらえなくなる
早まって離婚してしまう4つ目のリスクとして考えられるのは、 「夫婦の共有財産を財産分与としてもらえなくなる可能性がある」ということです。
法律で婚姻期間に夫婦で協力した共有財産は、離婚する時に夫婦の間で分割して生産されることが規定されています。 これを「 財産分与」と言います。 財産分与の内容や受け取る割合についての取り決めは、夫婦の話し合い(協議離婚)によって行われるのが基本です。
離婚を急ぎすぎて、財産分与についての話し合いを曖昧にしたまま離婚してしまうと、離婚後の生活や経済面に、大きな不安を残すことになります。離婚する前に財産分与についての話し合いや取り決め、しっかりと行なっておきましょう。
離婚するのかしないのか、悩んだら弁護士へ
今回は早まって結婚してしまう4つのリスクについて解説してきました。とにかく、辛い感情や怒りの感情に任せて、早急に離婚する決断をするのは危険です。
まずは冷静になって、慎重に考えて行動していきましょう。 それが自分を守ること、子供を守ることに繋がります。
「離婚した方がいいのか、離婚しない方がいいのか」、どうしても思い悩んでしまう場合は、離婚や男女問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
専門的知識と経験のある弁護士なら、あなたの取り巻く状況を分析したうえで、法律のプロとしての適切なアドバイスをもらえることができるでしょう。