離婚する原因の上位にランクされている「夫のモラハラ」。 長年にわたって夫からの執拗な言葉の暴力に追い詰められ、「このままではいけない」と別居を決意される方も多いでしょう。
しかし、安易に行動してしまうと トラブルになる可能性があるだけでなく、 さらに精神的な苦痛を受けてしまう場合も考えられます。
そこで今回の記事では、 モラハラ夫と別居するにあたって、注意しなければいけない6つの事柄について解説していきます。
目次
モラハラ夫とは?
モラハラとは、モラルハラスメントの略で、 パワハラなどのような直接的暴力ではなく、 相手を追い込む精神的な暴力や言葉による暴言、態度などを用いて相手に精神的な苦痛を与える行為です。
モラハラは、 DV(暴力)ではないと考える方もいると思いますが、 実は DV の一種と考えられています。肉体的であろうと精神的であろうと、同じ暴力には変わりはないということです。
モラハラ夫を見抜く10個の特徴
モラハラ夫の言動には、以下のような10個の特徴があります。
<モラハラ夫の10個の特徴>
1. 結婚してから態度が豹変した
2.なぜか周囲からは「優しい良い夫」 評される
3.妻に対して暴言を吐いて見下す
4.長期間にわたり妻を無視し続ける
5.妻を自分の思う通りにしようとする
6.妻が頑張っていても常に文句を言う
7.都合が悪いと人のせいにする
8.自分は人よりも優れていると思っている
9.他人に厳しく自分に甘い
10.嫉妬の強さが半端ではない
該当する項目が多いほどモラハラ夫の可能性があります。 現状では夫のモラハラ行為がない場合でも、今後豹変する可能性もありますので注意しまよう。
次項からは、モラハラが原因で別居する際に、注意すべき6つのことについて解説していきます。
1.別居前にモラハラ夫に相談すべきか?
夫との別居を決意した時に、「夫に対して別居のことを相談すべきか?」という問題は悩ましい問題です。 何も言わずに別居したら後で何をされるか分からないし、事前に相談したらものすごい勢いで暴言を吐かれ、大きな精神的苦痛を受けることになります。
夫に相談するかどうかは、結局のところ夫のパワハラの程度によるでしょう。 DV に近いほどの強烈なモラハラ夫の場合は、大きなトラブルや身の危険さえあるので、事前に何も言わずに別居した方が良いでしょう。
また、自分自身が度重なるモラハラによって、精神的に疲弊している場合も無理に話す必要はないと思います。
他方でモラハラの程度がそこまで大きくなく、話し合える余地がある場合には、事前に相談したほうがスムーズに行く場合もあります。 しかし、少しでも相談することに不安を感じるなら、 慎重に検討する必要があるでしょう。
一般的にモラハラ夫との別居は、モラハラという性格上多くの場合において、夫とは相談せずに別居するのが通例と言えます。
2.別居の準備を悟られてはいけない!
モラハラ夫に内緒で別居をする場合に注意すべきことは、事前にその行動を絶対に悟られてはいけないということです。
万が一夫に別居することを感づかれてしまうと、 強烈なモラハラを受けてしまうだけでなく、別居の準備や別居そのものも妨害されてしまう可能性があります。そうなってしまうと、なかなか別居も難しくなるので、細心の注意をして別居の準備をしましょう。
3.支援してもらえるように親族や友人に理解を得る
モラハラ夫に気付かれることなく無事に別居できたとしても、いつ転居先を特定して乗り込んで来るかもしれません。そういった不安を抱えながら生活するのは精神的にも辛いことでしょう。
小さな子供がいる場合は、母親の不安な状況を察知して、子供自身も不安を感じる可能性があります。
こういった時に頼りになるのが身近にいる親族や友人です。 できれば別居前にあらかじめ事情を説明することで、現況を理解してもらいましょう。 モラハラ夫との間にトラブルが生じても、身近に相談したり支援してもらえる人がいると安心です。
4.置き手紙を用意する
家から出て行く時には、置き手紙をおいていくことをお勧めします。なぜなら何も言わないまま出て行くと、事件や事故の可能性も考えてしまう恐れがあります。
警察に行方不明の届けをされても困りますので、置き手紙を残して完結に自分の意思を伝えるようにしましょう。
手紙の内容としては、「 モラハラ夫とは一緒に生活していくことはできない」ということと、「 元気に暮らしていくので居場所を探さないでほしい」という趣旨のことを記載しておけば良いでしょう。
置き手紙ではなく、 LINE やメールでも良いのではないかと思われる方もいると思いますが、 LINE やメールを使用してしまうと、それを通信手段として以降モラハラ夫から執拗な連絡がくる危険性が増す恐れがあるからです。
5.捜索拒否願の提出
別居するために家出をしたことが判明した時、 大騒ぎをして警察に捜索願を出すことも考えられます。 そういった場合を想定して、あらかじめ警察に「捜索拒否願」を出しておくこともできます。
捜索拒否願を出しておけば、万が一モラハラ夫が警察に捜索願を出しても受理されません。それどころか「奥さんは無事だから 、 無理に探すようなことはしないように」と説得してもらえるので安心です。
6.住民票の移動は様子を見ながら慎重に
別居先に移って生活するようになると、「住民票の移動をどうするか」という問題が生じます。なぜなら、安易に住民票を移動してしまうと、モラハラ夫にバレてしまう危険性があるからです。
そのため、転居してすぐに住民票を移すことはやめましょう。とりあえず、慎重になってしばらくは様子を見ましょう。移すタイミングとしては、行政サービスを受けるために現実的な必要性が生じてから、住民票を移した方がより安全だと思います。
難しいと感じたら早めに弁護士に依頼を!
モラハラの程度が酷い状況であったり、妻自身もすでに精神的に疲弊しきっていて 、自分自身で離婚交渉をできる状態でない場合は、 離婚に詳しい弁護士に依頼した方が良いでしょう。
もちろん、モラハラの程度が軽い場合は、 身近で頼りになる両親などに仲介を依頼して、進めるということもできるかもしれません。
しかし、モラハラ夫によっては必要に転居先の住所を尋ねてきたり、「妻と合えなければ交渉のテーブルにつかない」などと言ってくるケースも考えられます。
そうした場合は、なるべく早めに弁護士に依頼して手続きを進めたほうが、離婚交渉は円滑に勧められるでしょう