アスペルガー症候群の夫と離婚をするには?離婚手続きをすすめる上で注意するポイント

アスペルガー症候群やADHD など発達障害の夫を持つ妻は、婚姻生活の中で夫の言葉や行動に理解に苦しむことが多く、精神を疲弊させてしまう方が少なくありません。

その中には、真剣に離婚を考える方もいらっしゃいます。 しかし、「アスペルガー症候群」を離婚の理由にすることは可能なのでしょうか?

今回の記事では、アスペルガー症候群の夫と結婚した妻が抱える問題と、離婚手続きを進める上での注意すべきポイントなどを解説します。

目次

アスペルガー症候群は発達障害の一つ

アスペルガー症候群は、ADHDやLDなどで知られている発達障害の一つです。 特徴としては社会性やコミュニケーション、想像力や共感性、イメージ力などの障害で、特にこだわりの強さや感覚の過敏さなどの特徴を持っています。 

子供の頃に発見されることが多いのですが、大人になってから症状が現れる方もいて、自ら発達障害の専門外来を訪れるケースも増えています。まずは、アスペルガー症候群について詳しく見ていきましょう。

発達障害とは?

発達障害は、生まれつきの脳の働き方の障害で、同じ障害名であっても特徴のあらわれ方が異なったり、あるいはいくつかの発達障害が合併しているケースもあります。

種類としては「自閉スペクトラム症・多動症・注意欠如・多動症( ADHD)・ 学習症(学習障害)・チック・症吃音」などです。

アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の一種で、以下のような障害を持つ発達障害です。

<アスペルガー症候群の障害>

●  対人関係の障害

● コミュニケーション障害

● 偏りのあるパターン化した興味は活動

アスペルガー症候群の原因については、まだはっきり解明されていません。先天性の脳機能不全が原因ではないかと考えられてはいますが、脳の機能不全がなぜ起こるかという理由も不明です。 

しかし、その生まれつきの脳機能の発達のアンバランスが原因となって、社会生活をしていく上での環境や人とのミスマッチを生み、困難が生じると考えられています。

アスペルガー症候群の特徴について

アスペルガー症候群によく見られる症状や行動には、以下のような特徴があります。 

アスペルガー症候群の特徴

1. 相手の状況や反応を察知するのが難しい
2. 発言が一方的になり、交互に話すことができない
3. 同年代よりも大人との会話を好む。
4. 言葉のもつ裏の意味や曖昧な表現が理解できない 
5. 特定の趣味や興味があることにこだわる
6. 同じ動作を繰り返す
7. 想定外のことに対応できない
8. 物事に優先順位をつけることが苦手 

アスペルガー症候群の夫が原因で妻がカサンドラ症候群になる訳とは?

アスペルガー症候群の夫に悩まされ続けた妻が、精神的に疲弊しきって「カサンドラ症候群」になるケースがあります。 なぜこのような大きな負担が心身にかかってしまうのか、その原因を探っていきましょう。

カサンドラ症候群の症状とは?

「カサンドラ症候群」とは、アスペルガー症候群の家族やパートナーがいることで、お互いの情緒的な相互関係を築くことができないことで、強いストレスを感じて不安や睡眠障害、うつなどの症状が出る状態です。 

結婚してから相手がアスペルガー症候群であることがわかる場合もある

アスペルガー症候群の方の中には、 大人になって結婚するまで周囲の人に発達障害が気づかれない場合があります。

その中でも社会に比較的に適用できるタイプの人は、職場のコミュニケーションなどで特に問題もなく過ごせます。パートナーができても交際期間中は気づかれることなく、結婚して初めて相手の異常に気づくということも少なくありません。

会話が噛み合わない

妻がカサンドラ症候群になる大きな要因として、夫との会話が噛み合わないことがあります。それについては、アスペルガー症候群の特徴であるコミュニケーション能力の希薄さが影響しています。

そのため、夫に自分の気持ちを理解してもらえなかったり、質問の答えがちぐはぐだったりと話が噛み合わないことによって、ストレスが蓄積され精神や肉体に不調をきたしてしまうのです。

夫に気遣ってもらえない

夫に気遣ってもらえないことが 、妻がカサンドラ症候群になる 一つの要因です。 例えば、一般的な家庭なら妻が風邪を引いて寝込んでいれば、 心配して世話をしたり妻の代わりに家事や育児を積極的にサポートしてくれるのが普通です。

しかし、夫がアスペルガー症候群のケースでは、妻の気持ちを察知したり気遣いしたりすることが難しいので、そのような対応はしてくれません。妻にしてみれば夫に求める愛情や優しさを感じられず、 精神的なショックは少なからずあるでしょう。

夫が他人に失礼な態度をとってしまう

アスペルガー症候群の夫は、周りの空気を読むことや相手との精神的な距離感をうまくつかむことができません。そのため、初めて会った他人に対して失礼なことを言ってしまったり、 妻の親に馴れ馴れしく接して、平気で失礼なことを言ってしまうこともあります。

夫婦で接客したりする時など、夫が隣で失礼な言動をしないか、常に緊張して対応しなければならず、精神的にも疲れてしまうのです。 

離婚を決意した時、手続きをスムーズにすすめるための注意点

もう耐えられない、 別れるしかない!」とついに離婚を決意しても、アスペルガー症候群である夫との離婚はかなり困難を極めます。 少しでもスムーズに離婚手続きを進めるには以下のようなポイントに注意していきましょう。

「アスペルガー症候群の夫」という理由だけで離婚事由にはならない

「民法770条1項4号」によれば、「配偶者が回復の見込みのない強度の精神病にかかっている場合」は、民法で定められている離婚事由に該当します。 アスペルガー症候群の夫はこの「強度の精神病」に該当すると考える方もいるでしょう。

しかし、アスペルガー症候群の場合は、「強度の精神病」とはいいがたいところがあり、それを理由に離婚事由として認められることはほぼないと言えます。

協議離婚では難航する可能性が大きい

妻が離婚を決意した場合、まずは「協議離婚」による夫との話し合いが行われます。しかし、アスペルガー症候群の夫に対して気持ちを伝える事は大変難しく、うまく伝わらないことが多いです。

健常者との会話に比べると、話し合いが成立させることが困難で時間ばかりかかって難航することも予想できます。

そういった場合、協議離婚よりもむしろ調停離婚に 持ち込んで解決を図る方が早いかもしれません。

離婚の意志が固い場合は 別居した方が良い

夫がアスペルガー症候群ってあるということだけで、民法の「 婚姻を継続し難い離婚事由」として認めてもらうことは、先に説明した通り難しいことです。

しかし、それ以外の理由でも、 結婚生活の継続性が困難と考えられ 理由であれば、認めてもらえる可能性はあります。

強い離婚の意思がある場合は、思い切って別居することも一つの対策でしょう。別居によって婚姻生活が破綻しているという 既成事実を作ることができます。 

また、パワハラやモラハラほどではなくても、 夫がから激昂されたり言葉の暴力を受けていたら、その1つ1つのエピソードをメモにしたり音声にしたりして、証拠を積み上げていくことで離婚を認めてもらえる可能性が高まります。

離婚後が成立しても離婚を受け入れてもらえない場合がある

調停や裁判などによって法律的に離婚が成立しても、アスペルガー症候群の夫の場合、そのことを精神的に受け入れることができず、 「もう一度やり直そう」などと連絡してくるケースがあります。

原則として子供との面会交流の時以外は夫との交流はないと思いますので、言葉で押し切られないようにきっぱりと断りましょう。 

アスペルガー症候群の夫との離婚は早めに弁護士に相談しよう!

アスペルガー症候群の夫との離婚は、通常の離婚ケースと違いコミュニケーションの問題が発生します。自分だけで離婚協議の決着をしようとしても、相手に話が通じずに精神的に疲弊してしまうでしょう。

最良の策として離婚の意思を固めたところで、速やかに弁護士に相談されることをお勧めします。特に発達障害を配偶者に持つ離婚を扱ったケースを経験している弁護士であれば、適切でかつ、実践的なアドバイスを受けることができます。

また、知識と経験のある弁護士に依頼すれば、コミュニケーションの難しい離婚協議でも粘り強く離婚交渉を続けてくれるでしょう。また、複雑な書類の作成や提出までの一連の手続きを代行してもらえます。

最大のメリットとしては、自分に変わり弁護士が代理人として進めることで、財産分与や婚姻費用、親権についても有利になるように推し進めてくれることです。弁護士に依頼するメリットは、通常の離婚ケースよりも大きなメリットがあると言えるでしょう


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