火災保険は 、私たちの大切な住居や暮らしを守るための重要な保険です。
しかし、重要な保険とは認識していても、その細かい補償内容については知らない人がほとんどではないでしょうか。
この記事ではそういった人たちに向けて、火災保険の基本的な知識や、保険料の相場、値上がりの情報などのお役立ち情報を紹介しています。
目次
火災保険料が2021年1月から値上がり?
近年、日本では大きな災害が連続して発生しており、その影響によって火災保険の値上げが続いています。
直近で言うと、2018年と2019年に2年連続で大手保険会社の保険料が上がりました。 そして2021年の1月より、複数の大手保険会社が値上げを実行しました。
値上げ金額は保険会社や地域、住まいによって変わりますが、 最大で31%も上がるケースもあるようです。
2019年1月から値上げした保険会社
1 | 東京海上自動火災保険 |
2 | 損害保険ジャパン |
3 | 三井住友海上火災保険 |
4 | あいおいニッセイ同和損害保険 |
火災保険とはどんなもの?
火災保険とは、 大切な建物や家財が火災や自然災害、盗難などによって受けた損害を補償するための保険です。
建物の購入は人生の中でも大きなイベントであり、 高額な出費も伴います。自分たちの暮らしを守るために、万が一に備えて保険に入ることがとても重要です。
アパートやマンション、一戸建てを購入した場合は 必ず保険に入るようにしましょう。
火災保険の対象は?
火災保険の対象となるのは、自分自身が所有している建物と家財の2つです。
「建物」とは具体的に住んでいる家やビル などの不動産を指し、家に付随する物置や車庫、塀なども建物の補償範囲に該当します。
「家財」とは家の中にある衣類や雑貨、 家電や家具などを指します。
建物だけに保険がかかっている場合は家財の損害補償はありません。つまり、火災保険の対象は「建物」のみ、「家財」のみ、「建物と家財」の3種類に分けられます。
通常は、建物と家財の両方の保険契約をするのが 一般的です。
このように火災保険は、対象となるものだけしか補償しませんので、家財にも補償をかけたい場合は必ず建物とともに、家財の保険にも入るようにしましょう。
万が一にも、後から「家財保険に入っておけばよかった・・・」と後悔しないように、契約時には内容についてよく確認することが重要です。
火災保険の補償範囲は火災以外にもたくさんある!
一般的に火災保険は「火災が起きた時の建物に対する補償」という認識がありますが、意外とその補償範囲は広く、自然災害や盗難、爆発事故など火災以外にも たくさん存在します。
火災保険の補償範囲
加入されている保険会社によって多少は異なりますが、火災保険でカバーできるオーソドックスな 補償範囲は下記の表になります。
火災保険でカバーできる基本的な補償範囲
火災 | 失火やもらい火、放火により自宅が火事になった場合の補償 |
落雷 | 落雷が落ちて家電製品などが壊れた場合の補償 |
爆発・破裂 | ガス漏れやカセットコンロなどによる爆発や破裂事故 |
風災、雹(ひょう)災、雪災 | 台風などによる強風、雹や豪雪などの自然災害 |
火災保険の補償範囲(オプション)
火災保険の基本的な補償以外にも、オプションで複数の補償を追加で申し込みすることが可能です。
火災保険のオプションによる補償
水漏れ | アパートの上階から水漏れが発生し部屋が水浸しになった等 |
水災害 | 豪雨による洪水によって床下浸水してしまった等 |
盗難 | 泥棒が入って家財が盗まれた、 窓ガラスが破壊された等 |
物体の飛来・落下・衝突 | 家に車が飛び込み家屋の一部が破壊された等 |
騒擾・集団行為等による破壊 | 過激派の集団行動によって家の一部が壊れた等 |
その他にも 私たちの生活のリスクを減らすために、様々な特約(オプション)が用意されています。自分たちのライフスタイルに合ったより良い特約を選んでいきましょう。
火災保険料の相場ってどれぐらい?
気になる火災保険料の相場ですが、その金額はお住まいの地域や建物の構造など、様々な条件によって変わってきます。
また、火災保険料とセットにされる「地震保険」の契約 の有無によって大きな影響があります。しかし、いちばん火災保険料の金額に影響するのが建物の構造です。
火災保険では持ち家の柱が、 何でできているのかが重要になります。木材なのか、鉄骨なのか、鉄筋コンクリートなのかによって、建物の損害に大きな差が生じるからです。
建物の構造によって異なる火災保険料の相場
火災保険料の相場に決定的な影響を与える、 建物の構造について説明していきましょう。
持ち家など専用住宅には、 M 構造「マンション構造」、 T 構造「耐火構造」、H構造「非耐火構造」の3種類があります。それぞれの平均的な火災保険料の相場は、以下のようになります。
構造別の火災保険料の相場 (オプションも全てつけた場合)
M 構造「マンション構造」 | コンクリート造 | 7,000円~14,000円 /年(地震保険なし) |
27,000円~34,000円/年(地震保険あり) | ||
T 構造「耐火構造」 | 鉄骨 | 12,000円~18,000円 /年(地震保険なし) |
33,000円~38,000円/年(地震保険あり) | ||
H構造「非耐火構造」 | 木造 | 22,000円~36,000円 /年(地震保険なし) |
54,000円~68,000円/年(地震保険あり) |
保険料や補償内容を比較するために複数の商品を検討することが大切!

火災保険料は家計の固定費として 、生涯にわたり払い続ける必要があります。 年間数万円の負担とはいえ、 30年以上払い続ければ100万円を超える負担となるでしょう。
しかしその割に、他社と比較せずに簡単に決めてしまう人が多いようです。
保険会社によって保険金額も補償内容も様々ですので、十分に比較検討してコストパフォーマンスの良い火災保険を契約したいものです。
火災保険会社には大手から、ネット型まで多くの保険会社があります。 これらの保険会社から気になる複数の保険会社を選び、見積もりを取って十分に比較検討することが大切です。
火災保険料の見積もりに必要な情報
火災保険料の見積もりをしたい場合は、 「保険の窓口」のような代理業者に見積もりをしてもらう、あるいはそれぞれの保険会社のウェブページにて算出するという方法があります。
火災保険料の見積もりの際に必要な、基本的な情報は以下のようになります。
・個人情報
(氏名、電話番号、メールアドレスなど)
・ 対象となる建物の情報
( 一戸建てか、マンションか? 構造は木造か、コンクリートか?等)
(耐用年数は?)
( 所在地は?)
( 床面積は?)
・ 火災保険の契約内容
(家財保険はつける?)
(地震保険はつける?)
( オプションはつける?)
(保険期間は?)
一般社団法人である日本損害保険協会の2019年度の統計によると、国内には31社の損害保険会社が存在しています。 これらの保険会社をひとつひとつ調べていたら、時間が到底足りませんよね。
そこで登場するのが、「火災保険の一括見積もりサイト」です。一括見積もりサイトなら 、複数の保険会社の見積もりを一括で得ることができます。
一括見積もりサイトの使い方
一括見積もりサイトでは、基本的な情報を入力するだけで、早ければその日のうちに、遅くても1週間ぐらいで見積もりを集めることができます。
一括見積もりサイトの利用手順
1. 一括見積もりサイトに基本情報入力する
個人情報 ( 氏名、電話番、メールアドレ、住宅ローンの有無)
建物の情報( 構造、耐用年数、 所在地、 床面積)
火災保険の明細( 地震保険や家財保険の有無、特約保険、期間等)
2.提携している保険代理店から見積もり書が届く(2社~5社)
3.詳しく知りたい場合は面談や電話で確認をする
・無料の一括見積もりサイトはこちらから
保険の窓口インズウェブ( 最大16社の見積もりが数日中に得られる)
住宅本舗(最大16社の見積もりが得られる。最短は即日で)
保険スクエアbang!(最大6社の見積もりが得られる。最短は即日で)
2021年1月から地震保険も値上げに!
2021年1月から地震保険の保険料が、「地震保険に関する法律」に基づいて大幅に改訂されました。
値上げ幅は、全国平均で5.1%にもなります。この地震保険の値上げは、火災保険と同様に将来的な自然災害の大きなリスクが背景にあります。
地震保険は火災保険などの一般の保険とは違って、国が民間の保険を再保険して引き受ける形です。 地震が発生した場合には、国と民間の保険会社が共同で保険金を支払います。
地震保険の保険料は、どの保険会社であっても同じ金額ですが、地域によって違ってきます。
火災保険金請求の手続き方法
保険会社への連絡から、保険金支払いまでの手続きの流れは、以下のようになります。
<保険請求から支払いまでの手続き >
①保険会社へ連絡
損害が発生したら、契約している保険会社や加入した代理店の窓口に、速やかに連絡しましょう。連絡するときは、次の情報を用意しておきましょう。
(契約者氏名、 火災や事故発生の場所と日時、 保険の目的、 発生の状況や原因、 損害の程度等)
②保険会社からの回答、案内
現在加入している保険の契約の詳細や、 今後の進め方などについて 案内されます。 また、場合により保険請求時に必要な書類が送付されることもあります。
損害の発生状況や 保険会社によっては、「り災証明書」が 必要になる場合があり、その場合は近隣の消防署や役所で用意できます。
③損害状況の確認
保険会社は損害の状況を確認する必要があります。 確認された損害状況によって保険金額が決定されるからです。 確認する方法については、保険会社が「鑑定人」を派遣して現場の調査を行う場合と、写真や書類の提出によって損害状況を証明する、2通りの方法があります。
④必要書類の送付
保険金請求に必要な書類を、保険会社に送付します。
⑤保険金の支払い
保険金額が確定したら、 契約者の承諾を受けた後に入金されます。
契約している火災保険を見直してみよう!
新規に火災保険の加入を考えている方は、この記事を参考にして頂けると嬉しいです。また、現在既に火災保険に加入されている方も、 本記事を参考にして見直してみましょう。
最低限、家財保険や地震保険に入っているのかはチェックしておきましょう。特に地震保険は火災保険を既に契約されている方でも、 契約期間の途中から追加で地震保険に入ることができます。
保険料は多少高くなりますが、「地震列島」と言われている日本では 必須の保険なのかもしれません。